拡張レポートのための OData のサポート

この項では、拡張レポート機能のために OData を操作する方法について説明します。

このトピックの内容:

概要

REST API を使用するための OASIS REST ベースの標準である OData(Open Data Protocol)がサポートされています。OData をサポートするビジネス・インテリジェンス(BI)ツールを使用して、プロジェクト・データに接続し、グラフやレポートを生成できます。これにより、レポートやグラフで提供される機能だけでなく、拡張レポート機能を使用してデータを視覚化し、分析できるようになります。

OData を操作するワークフローは次のとおりです。

  1. 前提条件で指定されているとおりに、OData の接続を準備します。

  2. OData をサポートする BI ツール(Power BI や Tableau など)を使用して、OData を介してプロジェクト・データを取得します。

    詳細については、BI ツールからプロジェクト・データへの接続を参照してください。

  3. 取得したデータの分析前の処理を行います。

  4. BI ツールを使用して、プロジェクト・データのレポートとグラフを生成します。

先頭に戻る

サポートされている OData のバージョン

OData バージョン 4.0 がサポートされています。

OData バージョン 4.0 をサポートするツールは、適切に連携できる可能性が高いです。

注: OData をサポートするツールのリストについては、OData Ecosystem に移動し、[Consumers]を選択してください。

OData のサポートは、Power BI と Excel でテストされています。

先頭に戻る

サポートされているエンティティ・タイプ

BI ツールからプロジェクトに接続すると、次のプロジェクト・データを取得できます。

  • リリース

  • サイクル

  • 要件

  • テスト・フォルダ

  • テスト

  • テスト・デザイン・ステップ

  • テスト・セット・フォルダ

  • テスト・セット

  • テスト・インスタンス

  • テスト実行

  • ユーザ

  • 不具合

先頭に戻る

前提条件

OData を使用する前に、次の接続情報を収集します。

前提条件 詳細
OData のサポートを有効にする

OData のサポートを有効にするには、IS_ODATA_SERVICE_ENABLED パラメータを Y に設定します。

詳細については、「ALM サイト・パラメータ」を参照してください。

OData データ・ソース URL

プロジェクト・データには一意の OData データ・ソース(または OData フィード)を通じてアクセスできるため、ユーザはさまざまな BI ツールを通じてデータにシームレスに接続できます。

  • OData データ・ソースは、次の URL 形式に従います。

    https://<サーバ>/qcbin/odatasvc/domains/<ドメイン名>/
    projects/<プロジェクト名>

    たとえば、次のデータ・ソース URL を使用して、DEFAULT/Demo プロジェクト・データに接続します。

    http://<ALM サーバ>/qcbin/odatasvc/domains/DEFAULT/projects/Demo

  • 複数のプロジェクトのデータを含めるには、これらのプロジェクトのデータ・ソース URL を 1 つずつ入力します。

サインイン資格情報

API キーを使用して、OData データ・ソースに接続します。ユーザ・アカウントに対して次の手順を実行します。

  • アカウントの API キーを生成します。クライアント ID と API キー・シークレットを書き留めます。

  • この API キーに対して OData を有効にします。

詳細については、API キー管理を参照してください。

正式名のサポートを有効にする

ユーザの正式名を取得する場合にのみ必要です。

標準設定では、ユーザのユーザ名のみが取得されます。正式名も取得する場合は、IS_ODATA_SHOW_FULL_NAME サイト・パラメータを Y に設定します。

注:正式名のサポートを有効にする前に、組織のポリシーを検討してください。

プライベート証明書をインストールする

環境でプライベート証明書が使用されている場合は、BI ツールが実行されているマシンにも証明書がインストールされていることを確認してください。

先頭に戻る

認証

BI ツールから OData データ・ソースに初めて接続するときは、認証が必要です。

BI ツールの基本認証オプションを使用します。

アカウントに関連付けられたクライアント ID と API キー・シークレットを使用して認証します。

フィールド 説明
User name

クライアント ID を入力します。

Password

API キー・シークレットを入力します。

Select which level to apply these settings to

BI ツールによって異なります。

認証のためにユーザ名とパスワードを共有できるレベルを指定します。

  • http://<ALM サーバ>/qcbin/odatasvc/domains/:ユーザ名とパスワードを使用して、指定したサーバ内の任意のドメインの任意のプロジェクトに接続できます。

  • http://<ALM サーバ>/qcbin/odatasvc/domains/<ドメイン名>:ユーザ名とパスワードを使用して、指定したドメイン内の任意のプロジェクトに接続できます。

注: クライアント ID または API キー・シークレットが有効でなくなった場合、認証は失敗します。権限を編集またはクリアして、新しい資格情報で認証します。

先頭に戻る

BI ツールからプロジェクト・データへの接続

Power BI、Tableau、Excel など、OData をサポートする任意のビジネス・インテリジェンス・ツールを使用してプロジェクト・データに接続できます。

例:Power BI からプロジェクト・データへの接続

  1. Power BI を開きます。[Home]>[Get Data]>[OData feed]を選択します。

  2. [OData feed]ダイアログ・ボックスで、[Basic]を選択し、ALM OData のデータ・ソース URL を入力して、[OK]をクリックします。

  3. Basic]を選択し、サインイン資格情報を入力します。

例:Tableau からプロジェクト・データへの接続

  1. Tableau を開きます。サイド・メニュー>[Connect]>[To a Server]に移動し、[More]、[OData]の順に選択します。

  2. Server]フィールドに、ALM OData のデータ・ソース URL を入力します。

  3. Authentication]フィールドで、[Username and Password]を選択します。

  4. サインイン資格情報を入力します。

例:Excel を使用したプロジェクト・データへの接続

  1. Excel ワークシートを開きます。[Data]>[Get Data ]>[ From Other Sources]>[From OData Feed]を選択します。

  2. [OData feed]ダイアログ・ボックスで、[Basic]を選択し、ALM OData のデータ・ソース URL を入力して、[OK]をクリックします。

  3. Basic]を選択し、サインイン資格情報を入力します。

先頭に戻る

取得したデータの分析前の処理

この項では、BI ツールを使用して分析する前のプロジェクト・データの処理について、推奨事項を示します。

データのフィルタリング

データを絞り込んでから使用する場合は、取得したデータをフィルタするために、次のタイプのテーブル・カラムを使用できます。

  • ID:たとえば、不具合 ID などです。

  • 時刻:たとえば、実際の修正時間などです。

  • 日付:たとえば、終了日などです。

注: フィルタを使用する場合、And 演算子のみがサポートされます。

データの拡張

複数のテーブルを含む OData データ・ソースに接続する場合、テーブル・カラムの展開オプションを使用して、関連テーブルからカラムを追加できます。この方法は、複数のテーブル全体を対象とするクエリの作成に役立ちます。

注: 展開オプションは、エンティティの関係が 1 対 1 の場合にのみ推奨されます。

たとえば、Defects テーブルには、複数の関連テーブルへの参照が含まれ、その中に Releases テーブルがあるとします。Defects テーブルの target_rel 列の展開オプションを使用して、リリースに関連するカラム(たとえば、name カラム)を追加できます。target_rel カラムが展開され、target_rel.name という名前のカラムがもう 1 つ追加され、Defects テーブルに追加されます。

Defects テーブルの detected_by_user カラムを展開する別の例を示します。full_name を選択すると、detected_by_user.full_name カラムが追加されます。

注: ユーザの正式名を追加できるかどうかは、正式名の取得のサポートが有効になっているかどうかによって異なります。詳細については、正式名のサポートを有効にするを参照してください。

エンティティ関係の作成

テーブル間の関係を作成して、結果を正確に計算し、分析で正しい情報を表示します。関係の作成は、ALM の 1 対多、多対多、または複数レベルのエンティティ関係を扱う場合に特に必要です。

以下の例は、テスト・セット・フォルダ、テスト・セット、テスト・インスタンス、およびテストの関係です。

先頭に戻る

トラブルシューティング

次の表に、OData の使用時に発生する可能性のある問題を示しています。

問題 解決策
OData:リクエストが失敗しました:基礎となる接続が閉じられました:保護された SSL/TLS チャネルの信頼を確立できませんでした

これは、環境でプライベート証明書を使用しているが、BI ツールが実行されているマシンに同じ証明書をインストールしていないことが原因で発生する可能性があります。