サービス・レベル・アグリーメントの定義 - 事例シナリオ
この事例シナリオでは,平均トランザクション応答時間のサービス・レベル・アグリーメント(SLA)を定義する方法について説明します。
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背景
Web Tours の管理者が,フライトの予約と検索にかかる平均トランザクション応答時間がいつ一定の値を超えるのかを確認したいと考えているとします。book_flight と search_flight のトランザクションがあるスクリプトがシナリオに含まれていると想定します。
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SLA ウィザードを起動する
[サービス レベル アグリーメント]ペインで,[新規]をクリックしてサービス・レベル・アグリーメント・ウィザードを開きます。
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SLA の測定値を選択する
[測定項目の選択]ページの[目標設定用の測定項目を選択してください]にある[トランザクション応答時間]ボックスで,[平均]を選択します。
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ゴールで評価するトランザクションを選択する
[トランザクションの選択]ページで,評価するトランザクション(book_flight と search_flight)を選択します。
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負荷条件の選択と負荷の適切な範囲を定義する(任意)
[負荷の条件の設定]ページで,平均トランザクション応答時間を評価するときに考慮する負荷条件を選択します。
この場合,システムで実行されているさまざまな仮想ユーザが各トランザクションの平均トランザクション応答時間に与える影響を確認するには,[負荷の条件]ボックスで[実行中の仮想ユーザ]を選択します。
実行中の仮想ユーザの値範囲を設定します。
仮想ユーザ数が 20 未満の場合は軽い負荷,20 以上 50 未満の場合は平均的な負荷,50 以上の場合は重い負荷であると考えます。これらの値を[負荷の値]ボックスに入力します。
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しきい値を設定する
[しきい値の設定]ページで,定義した負荷条件を考慮に入れて,トランザクションの許容できる平均トランザクション応答時間を定義します。
この場合,両方のトランザクションに同じしきい値を定義します(軽い負荷の適正な平均応答時間の上限は 5 秒,平均的な負荷の場合は 10 秒,重い負荷の場合は 15 秒)。
ヒント: すべてのトランザクションに同じしきい値を定義するには,[しきい値の設定]ページの下部にある表に値を入力し,[全トランザクションに適用]をクリックします。
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追跡期間を定義する(任意)
測定値の SLA ステータスが実行期間内の時間間隔で決まる場合,時間間隔の頻度は[追跡期間]によって決まります。
内部で計算された追跡期間(5 秒以上)は標準設定で定義されているため,この手順は任意です。追跡期間は,[詳細オプション]ダイアログ・ボックスで変更できます。
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[サービス レベル アグリーメント]ペインで,[詳細設定]ボタンをクリックします。
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[最低追跡期間: X 秒間]を選択し,追跡期間を選択します。時間間隔は,組み込みのアルゴリズムとここで入力する値に従って Analysis によって計算されます。
例:
追跡期間として 10 を選択し,シナリオの集計精度(Analysis によって定義される)が 6 の場合,追跡期間は 10 以上で最も近い 6 の倍数に設定されます。つまり,追跡期間 = 12 になります。
詳細については,「追跡期間」 を参照してください。
ユーザ・インタフェースの詳細については,「[詳細オプション]ダイアログ・ボックス([サービス レベル アグリーメント]ペイン)」を参照してください。
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結果
シナリオ実行の解析時に,Analysis によって SLA 設定が標準のサマリ・レポートに適用され,関連するすべての SLA 情報が含まれるようにレポートが更新されます。
たとえば,定義した SLA の観点から最もパフォーマンスの悪かったトランザクション,設定した時間間隔でのトランザクションの具体的な処理内容,全般的な SLA ステータスが表示されます。