プロキシによる記録

このトピックでは,スクリプトを記録する際のプロキシ・サーバの使用について説明します。

プロキシ・サーバを使用した記録について

VuGen ではプロキシを使用してスクリプトを記録できるため,クライアント・マシンに VuGen をインストールできない状況を解決できます。この状況は,特定の Linux マシン,Mac OS マシン,およびモバイル・デバイスで発生する場合があります。

このオプションを使用すると,VuGen マシンはクライアント・マシンからターゲット・サーバへのすべてのトラフィックをキャプチャしているプロキシ・サーバとして機能します。ビジネス・プロセスが記録された後に,VuGen はスクリプトを作成します。

次の図は,基本的なワークフローを示しています(Linux マシン上のプロキシで記録する場合):

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プロキシで記録する場合の考慮事項

以下に,プロキシで記録するための情報と前提条件を示します。

一部のプロトコルに対してのみサポート

プロキシによる記録は,一部のプロトコルで使用できません。

サポートされるプロトコルには,Web - HTTP/HTML,Flex,Java over HTTP,Oracle NCA,Oracle - Web があります。 


プロキシ設定の許可

クライアントがプロキシ設定を許可する必要があります。つまり,クライアント・デバイスまたはマシン上で VuGen マシンのポートおよびアドレスを指定できなければなりません。

一部のモバイル・ネイティブ・アプリケーションは,プロキシ・モードで記録できません。たとえば,デバイスがプロキシをサポートしていない場合や,アプリケーションがデバイスのプロキシを無視する場合があります。このような場合は,サーバ側でトラフィックを記録するなど,他のアプローチが役立つ場合があります。

同じネットワーク クライアント・デバイスまたはマシン,および VuGen マシンは同じネットワークに存在する必要があります。
閲覧履歴の削除

ビジネス・プロセスを記録する前に,クライアント・マシンの閲覧履歴を削除してください。これは,VuGen がクライアント・マシン上のブラウザのキャッシュと履歴の設定をバイパスできないためです。

閲覧履歴の削除により,VuGen はビジネス・プロセスをプロキシでより正確に記録できるようになります。

複数のターゲットへの HTTP 転送 複数のターゲット・マシンが存在する場合,VuGen プロキシはホスト HTTP ヘッダに基づき正しいターゲット・サーバにデータを転送することができます。
インターネット・プロキシ・サーバを介したターゲット・サーバへの転送 VuGen マシンは,[記録の開始]ダイアログ・ボックスで[LoadRunner プロキシ経由のリモート アプリケーション]モードを選択することにより,組織のインターネット・プロキシとの接続を確立するように設定できます。詳細については,「[記録の開始]ダイアログ・ボックス」を参照してください。
モバイル・デバイスの HTTPS(SSL/TLS)サポート

HTTPS トラフィックを記録し,復号するために,プロキシは独自の証明書を使用してモバイル・デバイスとのセキュアな接続を設定します。また,サーバとのセキュアな接続を確立するために,実際のサーバの証明書を使用します。

ブラウザがセキュアな接続でプロキシと通信を行うには,セキュリティの例外を宣言するか,ルート証明書をインストールする必要があります。SSL 証明書のインポートの詳細については,「使用事例 3: クライアントが SSL を使用する」を参照してください。

注: 一部のネイティブ・モバイル・アプリケーションでは,独自の内部ルールによって,インストールされたルート証明書が拒否されることがあります。この場合,HTTPS トラフィックは記録できません。このような場合は,アプリケーションの開発者に回避策を問い合わせてください。

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プロキシによる記録の使用事例

以下の使用事例では,プロキシ・サーバを使用してスクリプトを記録するさまざまな方法について説明します。すべての使用事例で,クライアント・マシンと VuGen マシンは同じネットワークに存在しています。

使用事例 1: VuGen がクライアント・マシンにインストールされていない

ビジネス・プロセスを記録したいが,アプリケーション実行中のマシン(またはデバイス)に VuGen をインストールできない。

  1. 新しい Web - HTTP/HTML スクリプトを作成します。

  2. 記録を開始します。

    1. 記録の開始]ダイアログ・ボックスで,[記録モード]>[記録]>[LoadRunner プロキシ経由のリモート アプリケーション]を選択します。詳細については,「[記録の開始]ダイアログ・ボックス」 を参照してください。

    2. LoadRunner プロキシがリッスンするポートを指定します(標準ポートは 8888)。
    3. クライアント マシンで記録ツールバーを表示する]チェック・ボックスを選択します。これによって,クライアント・マシンの記録ツールバーを確認し,対話操作できるようになります。
    4. インターネットにアクセスするために,クライアント・マシンにプロキシが必要な場合は,次のように設定します。

      • VuGen マシンの Internet Explorer で,[ツール]>[インターネット オプション]>[接続]を選択します。
      • LAN の設定]をクリックし,クライアント・マシンのインターネット・プロキシのポートとアドレスを入力します。

        注: 自動設定スクリプトを使用する]オプションはサポートされていません。

    5. 記録の開始]をクリックします。
  3. クライアント・マシンで,ブラウザ・キャッシュを削除します。

  4. クライアント・マシンのブラウザを設定して,VuGen マシンをプロキシ・サーバとして指定します。アドレスに VuGen のマシン IP を使用し,LoadRunner プロキシがリッスンするポートを指定します。

  5. ビジネス・プロセスを記録します。

    1. アプリケーションに移動します。
    2. 記録するビジネス・プロセスのステップを実行します。

  6. スクリプトを生成します。

    クライアント・マシンの記録ツールバーまたは VuGen マシンのフローティング記録ツールバーの[記録停止]を選択します。VuGen でスクリプトが生成されます。

    注: ビジネス・プロセスでは,URL に https と明示的に表示されていない場合でも,SSL 通信を使用するのが一般的です。この場合,証明書が必要になることがあります。証明書の取得の詳細については,「使用事例 3: クライアントが SSL を使用する」を参照してください。

使用事例 2: モバイルでのプロキシによる記録

モバイル・デバイス上のアプリケーションの記録が必要な場合があります。たとえば,Web アプリケーション,またはトランスポートとして HTTP および HTTPS を使用するネイティブ・モバイル・アプリケーションが考えられます。

  1. 新しい Web - HTTP/HTML スクリプトを作成します。

  2. 記録を開始します。

    1. 記録の開始]ダイアログ・ボックスで,[記録モード]>[記録]>[LoadRunner プロキシ経由のリモート アプリケーション]を選択します。詳細については,「[記録の開始]ダイアログ・ボックス」 を参照してください。

    2. LoadRunner プロキシがリッスンするポートを指定します(標準ポートは 8888)。
    3. クライアント マシンで記録ツールバーを表示する]チェック・ボックスを選択します。これにより,モバイル・ブラウザに記録ツールバーが表示され,対話操作できるようになります。
    4. 記録の開始]をクリックします。
  3. (任意)VuGen マシンで,プロキシの詳細を設定します。この設定を行うには,Internet Explorer で,[ツール]>[インターネット オプション]>[接続]を選択します。[LAN の設定]をクリックし,クライアント・マシンのインターネット・プロキシのポートとアドレスを入力します。[自動設定スクリプトを使用する]オプションはサポートされていません。

    ヒント: このステップが必要になるのは,テスト対象のアプリケーションがインターネットにアクセスし,ユーザが接続している企業ネットワークがインターネットへのアクセスにプロキシを必要とする場合です。

  4. モバイル・デバイスで,ブラウザのキャッシュをクリアします。

  5. VuGen 記録用プロキシを使用するようにモバイル・デバイスを設定します。たとえば,iOS デバイスでは,[設定]>[Wi-Fi]>[HTTP プロキシ]>[手動]を選択します。[サーバ]フィールドに VuGen マシンの IP を入力し,[ポート]フィールドに VuGen がリッスンするポートを入力します。

  6. モバイル・デバイスのブラウザからテスト対象のアプリケーションを開き,記録するビジネス・プロセスのステップを実行します。すべての Web トラフィックが VuGen によって記録されます。

注: Web アプリケーションが SSL 通信を使用している場合,証明書が必要になる場合があります。証明書の取得の詳細については,「使用事例 3: クライアントが SSL を使用する」を参照してください。

使用事例 3: クライアントが SSL を使用する

アプリケーションで,通信に SSL が使用されている。

  1. LoadRunner SSL 証明書をクライアント・マシンにインポートする準備を行います。

    注: SSL を使用する場合,アプリケーション開発者はサーバ証明書に特定のポリシーを設定できます。ただし,LoadRunner の証明書がそのポリシーに適合している場合にのみ,クライアントがサーバを信頼し,SSL 接続を設定できます。

  2. 次の場所にアクセスして,証明書をダウンロードします。

    http://<VuGen マシンのコンピュータ名>:port/proxyroot.cer

    あるいは

    http://<VuGen マシンの IP アドレス>:port/proxyroot.cer

    注: セキュリティ制限が発生した場合は,次の場所にアクセスします。

    http://<VuGen マシンのコンピュータ名>:port/proxyroot.dat

    あるいは

    http://<VuGen マシンの IP アドレス>:port/proxyroot.dat

    証明書をダウンロードしたら,拡張子 .dat.cer に戻して証明書をインポートします。

  3. SSL 証明書をインポートします。次の表に,各ブラウザでのパスの例を示します。

    • Internet Explorer の場合,[インターネット オプション]>[コンテンツ]>[信頼されたルート証明機関]>[インポート]を選択します。
    • Firefox の場合,[ツール]>[オプション]>[詳細]>[証明書]タブ>[証明書を表示]>[認証局証明書]>[インポート]を選択します。

使用事例 4: VuGen とテスト対象のアプリケーションが同じマシン上に存在する

VuGen とクライアント・アプリケーションが同じマシンに存在する環境で,システム・プロキシを使用しているローカル・アプリケーションをプロキシ記録する必要がある場合があります。

  1. 新しい Web - HTTP/HTML スクリプトを作成します。

  2. [記録オプション]を設定します。

    [記録オプション]([記録]>[記録オプション])を開き,[HTTP プロパティ]>[詳細]ノードを選択します。[LoadRunner プロキシを使用してローカル アプリケーションを記録する]を有効にします。

  3. 記録を開始します。

    1. [記録の開始]ダイアログ・ボックスを開きます。

    2. 記録モード]セクションで,[記録: Web ブラウザ]を選択します。
  4. ビジネス・プロセスを実行します。

    1. アプリケーションに移動します。

    2. 記録するビジネス・プロセスのステップを実行します。

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記録後

  • 記録後は,VuGen によりプロキシは自動的にリセットされ,元の設定に戻ります。記録中にアプリケーションがクラッシュしたなどの理由で記録が正常に終了しなかった場合には,プロキシを元の値に手動で設定し直すことが必要な場合もあります。これを行うには,[インターネット オプション]>[接続]>[LAN の設定]>[プロキシ サーバ]に移動します。

    Java アプリケーション,または Internet Explorer 以外のブラウザを記録するときに,アプリケーションでシステム・プロキシ設定が使用されていない場合は,アプリケーションのプロキシを手動で設定する必要があります。

  • モバイル・デバイスの場合: Wi-Fi(WLAN)プロキシを設定すると,モバイル・デバイスとのすべての通信に適用されます。つまり,メール・クライアントなど,アプリケーションに関連しないトラフィックが記録される可能性があります。このノイズは,スクリプトの生成後に手動で削除できます。

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