ゴール指向シナリオのゴール・タイプ

ゴール指向シナリオでは,テストで達成するゴールを定義すると,このゴールに基づいて,LoadRunner Professional が自動的にシナリオを作成します。

本項では,ゴール指向シナリオのゴール・タイプについて説明します。

仮想ユーザ

このゴールでは,指定の数の仮想ユーザをアプリケーションで同時に実行できるかどうかがテストされます。このタイプのゴール指向シナリオの実行は,マニュアル・シナリオの実行とほぼ同じです。

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分ごとのページ数/秒ごとのヒット数/秒ごとのトランザクション

これらのゴールでは,サーバの強度がテストされます。これらの各ゴール・タイプでは,実行するシナリオの仮想ユーザ数の最小と最大の範囲を指定します。秒ごとのトランザクションのゴール・タイプの場合はトランザクション名も指定します。

注:

  • 分ごとのページ数秒ごとのヒット数のゴールは,Web 仮想ユーザの場合にのみ使用します。

  • 秒ごとのヒット数は,秒ごとの HTTP 要求に関連します。

これらのゴール・タイプのいずれかを定義した場合,Controller は指定された目標を指定された最小仮想ユーザ数で割って,各仮想ユーザが達成する必要がある「分ごとのページ数」または「秒ごとのヒット数/トランザクション」を決定します。

[負荷の動作]の設定に従って,Controller が次のように仮想ユーザのロードを開始します。

  • 仮想ユーザの自動実行を選択した場合,LoadRunner Professional は最初のバッチで 50 の仮想ユーザを読み込みます。定義した仮想ユーザの最大数が 50 未満の場合は,LoadRunner Professional はすべての仮想ユーザを同時に読み込みます。

  • 一定の時間でシナリオに目標を達成させることを選択した場合は,LoadRunner Professional はその時間内に定義した目標を達成しようとします。そして,指定された制限時間と,仮想ユーザごとの目標ヒット数,トランザクション数,またはページ数の計算結果に基づいて,最初に実行する仮想ユーザのバッチ・サイズを決定します。

  • 徐々に目標に達するように選択した場合(x 時間ごとに x ページ数/ヒット数),LoadRunner Professional は仮想ユーザごとの目標ヒット数またはページ数を計算し,それに基づいて最初のバッチの仮想ユーザ数を決定します(秒ごとのトランザクションのゴール・タイプには適用されません)。

仮想ユーザのバッチを実行するたびに,LoadRunner Professional はバッチの目標が達成されたかどうか評価します。バッチ目標が達成されていなければ,LoadRunner Professional は定義されたゴールを達成できるように,仮想ユーザごとの目標ヒット数,トランザクション数,またはページ数を再計算し,次のバッチの仮想ユーザ数を再調整します。標準設定では,新しい仮想ユーザのバッチが 2 分ごとに開始されます。

Controller が最大数の仮想ユーザを起動してもゴールを達成できない場合,LoadRunner Professional は仮想ユーザごとの目標ヒット数,トランザクション数,またはページ数を再計算し,最大数の仮想ユーザを同時に実行して,もう一度定義された目標の達成を試みます。

次に該当する場合には,分ごとのページ数または秒ごとのヒット数/トランザクション数のゴール指向シナリオには[失敗]ステータスが割り当てられます。

  • Controller が,指定した最大数の仮想ユーザを使用してゴールを達成しようと 2 回試みて,2 回ともゴールが達成されなかった場合。

  • 仮想ユーザの最初のバッチが実行された後,分ごとのページ数または秒ごとのヒット数/トランザクション数が記録されなかった場合。

  • Controller が仮想ユーザのバッチをいくつか実行した後,分ごとのページ数または秒ごとのヒット数/トランザクション数が増加しなかった場合。

  • 実行した仮想ユーザがすべて失敗した場合。

  • 実行しようとした仮想ユーザ・タイプで利用可能な Load Generator がなかった場合。

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トランザクション応答時間

このゴールでは,指定のトランザクション応答時間を超えずに,同時に実行できる仮想ユーザ数がテストされます。テストするスクリプトのトランザクション名と,LoadRunner Professional が実行する最小および最大仮想ユーザ数の範囲を指定します。トランザクション応答時間は,あらかじめ定義されているしきい値に合わせて指定します。

たとえば,電子商取引サイトへのログインで顧客を 5 秒以上待たせないようにしたい場合には,最大許容トランザクション応答時間を 5 秒に指定します。最小および最大仮想ユーザ数を,同時に処理できるようにしたい最小および最大顧客数に設定します。

シナリオが,定義した最大トランザクション応答時間に達さなければ,想定している同時サービス顧客数にサーバは妥当な時間で応答できます。仮想ユーザの一部を実行しただけで,定義した応答時間に達した場合,または Controller が定義した最大数の仮想ユーザを使うと定義された応答時間を超過するというメッセージを受信した場合は,アプリケーションの改良や,サーバのソフトウェアとハードウェアのアップグレードを検討します。

注:
  • 秒ごとのトランザクションまたはトランザクション応答時間のゴールを達成するには,スクリプトにトランザクションが含まれている必要があります。これらのゴール・タイプそれぞれに,テストするスクリプトのトランザクションを定義します。

  • トランザクション応答時間のゴール指向シナリオを効果的なものにするには,サーバに効果的にヒットするトランザクションを注意深く選択します。

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