クラウド上の Load Generator のカスタム・イメージの作成

このトピックでは,Google Cloud および DigitalOcean クラウド環境用のカスタム・イメージの作成方法について説明します。Amazon および Azure クラウド環境用のイメージの作成については,LoadRunner Enterprise ヘルプセンターのクラウド・ホスト用のカスタム・イメージの作成に関する情報を参照してください。

前提条件 - セキュアな通信

Controller が TLS(SSL)を使用してクラウド上の Load Generator と通信する場合,TLS 証明書の秘密鍵を暗号化してセキュリティを強化します。暗号化には,LoadRunner Professional インストールに含まれる共有鍵が使用されます。この共有鍵が Controller マシンの標準設定値から変更された場合は,Load Generator のイメージを作成する前に,Load Generator の共有鍵を同じ値に変更する必要があります。

共有鍵を設定するには,ネットワークおよびセキュリティ・マネージャ・コマンド・ライン・ツールを使用します。詳細については,「共有鍵のオプション」を参照してください。

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Google クラウド - Windows

Windows マシンで Google Cloud Platform 用のカスタム・イメージを作成するには,次の手順を実行します。

  1. Google Compute SDK をインストールします。これは,Google Cloud の Web サイトからダウンロードできます。

  2. ブラウザから SDK の Web インタフェースを使用して,次の手順を実行します。

    1. 任意の名前を持つネットワーク(この例では,network1)を定義して,次のルールを追加します。

      名前
      ソース・タグ/IP 範囲
      許可するプロトコル/ポート
      ターゲット・タグ
      default-allow-lg 0.0.0.0/0 tcp:54345(LR エージェント・ポート) lr-lg
      default-allow-rdp 0.0.0.0/0 tcp:3389 rdp
    2. 次の手順でインスタンスを作成します。

      1. インスタンスの名前(たとえば,instance1)を入力します。
      2. インスタンスのリージョン(たとえば,us-central1-a)を指定します。
      3. マシン・サイズに g1-small(1 vCPU,1.7 GB RAM)以上を指定します。
      4. オペレーティング・システムとして Windows Server 2012 R2 Standard x64 を指定します。
      5. [新しいイメージの作成]>[管理、ディスク、ネットワーキング、アクセスとセキュリティの各設定]>[管理]を選択し,タグとして「rdp」を指定します。
      6. [新しいイメージの作成]>[管理、ディスク、ネットワーキング、アクセスとセキュリティの各設定]>[ネットワーキング]を選択し,ネットワークとして「network1」を指定します。
      7. インスタンスを作成することを確認します。

    3. 作成したインスタンスに RDP で接続します。

    4. そのインスタンスに,スタンドアロンの Load Generator OneLG をダウンロードし,LoadRunner Enterprise(LRE)モードを使用してインストールします。セットアップ・ファイルは,LoadRunner Professional インストール・パッケージの Standalone Applications フォルダにあります。これを C:\OneLG などの標準設定以外の場所にインストールします。

    5. Load Generator がインストールされたら,次の手順を実行します。

      1. マシン上で[サーバー マネージャー]を開きます。
      2. ツール]メニューから[コンピューターの管理]を選択します。
      3. [システム ツール]>[ローカル ユーザーとグループ]で,[グループ]を選択します。
      4. 右側で,[Administrators]グループのプロパティを開きます。
      5. 全般]タブで,[メンバー]の下にある[IUSR_METRO]を削除します。
      6. OK]をクリックします。
    6. 次のコマンドを使用して,ファイアウォールをオフにします。

      netsh advfirewall set allprofiles state off

    7. 次のコマンドを使用して,LGCloudAgent サービスを登録します。

      sc create LGCloudAgent binPath= "c:\OneLG\bin\LGCloudAgent.exe" start= auto

    8. LoadRunnerAgent サービスの自動開始を無効にします。

      sc config LoadRunnerAgent start= demand

      sc config remotemanagementagent start= demand

    9. 次のように,[一般化する]オプションと[シャットダウン]オプションを使用して,システム準備ツールを実行します。

      cd %windir%\system32\sysprep

      sysprep (generalize, shutdown)

  3. Google Compute SDK コンソールを使用して,次の手順を実行します。

    1. 自分自身を認証します。

      gcloud auth login

    2. 現在のプロジェクトを設定します。

      gcloud config set project <プロジェクト ID>

  4. SDK の Web インタフェースを使用して,プロジェクト ID を特定します。

    1. SDK コンソールを使用して,次のようにインスタンスを終了します。

      gcloud compute instances delete instance1 --keep-disks boot

    2. インスタンス・ディスクからイメージを作成します。たとえば,バージョン 2023 の場合:

      gcloud compute images create <新しいイメージの名前> --description "LR LG, LRE Compatible, version{2023}, windows" --source-disk instance1 --source-disk-zone us-central1-a

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Google クラウド - Ubuntu

Ubuntu マシンで Google クラウド用のカスタム・イメージを作成するには,次の手順を実行します。

  1. Google Compute SDK をインストールします。これは,Google Cloud の Web サイトからダウンロードできます。

  2. ブラウザから SDK の Web インタフェースを使用して,次の手順を実行します。

    1. 任意の名前を持つネットワーク(この例では,network1)を定義して,次のルールを追加します。

      名前
      ソース・タグ/IP 範囲
      許可するプロトコル/ポート
      ターゲット・タグ
      default-allow-lg 0.0.0.0/0 tcp:54345(LR エージェント・ポート) lr-lg
      default-allow-ssh 0.0.0.0/0 tcp:22 ssh
    2. 次の手順でインスタンスを作成します。

      1. インスタンスの名前(たとえば,instance1)を入力します。
      2. インスタンスのリージョン(たとえば,us-central1-a)を指定します。
      3. マシン・サイズに g1-small(1 vCPU,1.7 GB RAM)以上を指定します。
      4. サポートされている Ubuntu オペレーティング・システムを指定します(「サポート・マトリックス」を参照)。
      5. [新しいイメージの作成]>[管理、ディスク、ネットワーキング、アクセスとセキュリティの各設定]>[管理]を選択し,タグとして「ssh」を指定します。
      6. [新しいイメージの作成]>[管理、ディスク、ネットワーキング、アクセスとセキュリティの各設定]>[ネットワーキング]を選択し,ネットワークとして「network1」を指定します。
      7. インスタンスを作成することを確認します。

    3. 作成したインスタンスに SSH で接続します。

    4. 次の LoadRunner Professional インストール・パッケージからスタンドアロン Load Generator のインストール・ファイルを instance1 にダウンロードします。

      \Linux\Web_Installers_64\InstData\Linux\VM

      または

      \Linux\Web_Installers_32\InstData\Linux\VM

    5. 次のコマンドを実行して,イメージを更新します。

      sudo apt-get update

      sudo apt-get upgrade

    6. スタンドアロン Load Generator インストールをマシンにアップロードします。アップロードしたファイルに対して次のコマンドを実行します。

      chmod a+x inst64.bin installer.csh installer.sh unzip

    7. 次のコマンドを実行して,Load Generator マシンの前提条件をインストールします。

      sudo apt-get install libc6-i386 lib32stdc++6 lib32ncurses5 libkrb5support0:i386 libkeyutils1:i386 gsoap:i386 mc libglib2.0-0:i386

    8. すべての標準設定を受け入れて,Load Generator をインストールします。証明書のインストールをスキップし,Load Generator の起動を設定します。

    9. 次の行を /etc/rc.local に挿入します。

      • export LD_LIBRARY_PATH=/opt/OT/OT_LoadGenerator/bin
      • export PRODUCT_DIR=/opt/OT/OT_LoadGenerator
      • export M_LROOT=/opt/OT/OT_LoadGenerator
      • /opt/OT/OT_LoadGenerator/bin/LgCloudAgent
    10. インスタンスをシャットダウンし,停止したことを確認します。

  1. SDK のコンソールを使用して,次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを使用して,自分自身を認証します。

      gcloud auth login

    2. 現在のプロジェクトを設定します。

      gcloud config set project <プロジェクト ID>

    3. インスタンスを終了します。

      gcloud compute instances delete instance1 --keep-disks boot

    4. インスタンス・ディスクからイメージを作成します。たとえば,バージョン 2023 の場合:

      gcloud compute images create <新しいイメージの名前> --description "LR LG, LRE Compatible, version{2023}, linux" --source-disk instance1 --source-disk-zone us-central1-a

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DigitalOcean - Ubuntu

DigitalOcean – Ubuntu 用のカスタム・イメージを作成するには,次の手順を実行します。

  1. サポートされている Ubuntu イメージを使用してクラウド・コンソールから新しいインスタンスを作成します(「サポート・マトリックス」を参照)。詳細については,DigitalOcean の Web サイトを参照してください。
  2. メールボックスからの資格情報を使用して,インスタンスに接続します。
  3. 次のように必要なパッケージをインストールします。

    dpkg --add-architecture i386 && apt-get update && apt-get -y upgrade && apt-get -y install libc6-i386 lib32stdc++6 lib32ncurses5 libkrb5support0:i386 libkeyutils1:i386 gsoap:i386 mc libglib2.0-0:i386

  4. スタンドアロンの Load Generator ファイルをアップロードします。これらのファイルはインストール・パッケージ内の次の場所にあります。

    \Linux\Web_Installers_64\InstData\Linux\VM

    または

    \Linux\Web_Installers_32\InstData\Linux\VM

  5. アップロードしたファイルに対して次のコマンドを実行します。

    chmod a+x inst64.bin installer.csh installer.sh unzip

  6. 次のコマンドを実行します。

    bash installer.sh

  7. すべての標準設定を受け入れて,Load Generator をインストールします。証明書のインストール・ステップと Load Generator の起動はスキップします。

  8. 次の行を /etc/rc.local に挿入します。

    1. export LD_LIBRARY_PATH=/opt/OT/OT_LoadGenerator/bin
    2. export PRODUCT_DIR=/opt/OT/OT_LoadGenerator
    3. export M_LROOT=/opt/OT/OT_LoadGenerator
    4. export CLOUD=DigitalOcean
    5. /opt/OT/OT_LoadGenerator/bin/LgCloudAgent
  9. 電源をオフにします。Web UI でインスタンスがオフ状態になるまで待機します。

  10. スナップショットを作成します(ドロップレットを選択し,[スナップショット]メニュー項目を選択して,名前を入力し,ボタンをクリックします)。名前には,「LR LG」および関連するバージョン番号が含まれている必要があります。スナップショットの処理を待機します。

  11. 他のリージョンにイメージをコピーします。DigitalOcean の Images ページに移動し,新しいイメージを選択します。[Edit region availability]をクリックして,他の地域に転送します。

  12. すべてのメタデータとタグが各イメージにコピーされていることを確認します。

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関連項目: