WPF オブジェクト、メソッド、プロパティの使用

WPF オブジェクトの内部プロパティおよびメソッドにアクセスするときは、設定または取得する情報が含まれているオブジェクトにアクセスするためのプロパティを認識しておくことが重要です。

AutomationElement プロパティ

UI Automation では、UI のすべての要素がオートメーション要素として公開されます。オートメーション要素には、要素が表す UI 要素の共通のプロパティが公開されます。

たとえば、ボタン・コントロールにはオートメーション要素プロパティの NameProperty があり、これは、ボタン・コントロールに関連する名前またはテキストを参照します。このプロパティは、Win32 では caption、HTML では alt と呼ばれています。UI Automation では、すべてのボタン・コントロールに NameProperty があり、各フレームワークの対応するプロパティにマッピングされています。

オートメーション要素では、プロパティを提供し、コントロール・タイプに固有のメソッドを公開するコントロール・パターンも公開されます。

AutomationPattern プロパティ

コントロール・パターンの特定のインスタンスにアクセスするオブジェクトを返します。

コントロール・パターンは、UI のコントロールが実行できる個々の機能を表します。コントロール・タイプの機能は、そのコントロール・タイプに対するコントロール・パターンの集合により定義されます。

コントロール・パターンでは、プログラムによってコントロールを操作する機能を提供するメソッドが公開されます。コントロール・パターンでは、コントロールの機能および現在の状態に関する情報を提供するプロパティも公開されます。

特定のコントロールでサポートされるコントロール・パターンの集合は、動的に定義できます。このため、特定のコントロール・タイプで、常に同じコントロール・パターンがサポートされているとはかぎりません。たとえば、複数行のエディット・ボックスでは、テキストが表示可能領域を超える場合のみスクロール(scrollpattern パターン)がサポートされます。

Image コントロールなど、一部のコントロール・タイプでは、コントロール・パターンはサポートされていません。

OpenText Functional Testing では WPF の OpenText Functional Testing オブジェクト・モデルで特別なプロパティを使用することによって、オートメーション要素およびコントロール・パターンのメソッドおよびプロパティにアクセスできます。

AutomationPattern プロパティからアクセスできるメソッドとプロパティの詳細については、Microsoft .NET のドキュメントを参照してください。

Object プロパティ 開発者によって定義された、実際の実行環境 UI オブジェクトに固有のプロパティにアクセスするオブジェクトを返します。

AutomationElement および AutomationPattern のプロパティを介してアクセス可能なプロパティおよびメソッドの多くには、Object プロパティを介してアクセス可能なプロパティおよびメソッドと同じ情報が含まれています。しかし、Object プロパティを介してアクセスした UI Automation から利用できる情報では、UI Automation のような標準化は提供されません。

開発者が設計したユーザ定義のプロパティは、Object プロパティを介してのみアクセスできます。