仮想ユーザ・スクリプトについて
このトピックでは,仮想ユーザ・テクノロジと VuGen スクリプトのタイプについて説明します。
このトピックの内容:
概要
環境のテストや監視を実行する際は,システムにおけるユーザの振る舞いを正確にエミュレートする必要があります。OpenText のテスト・ツールは,複数のユーザが同時に作業している環境や,複数のユーザがシステムに同時にアクセスしている環境をエミュレートします。
そのような環境をエミュレートするために,実際のユーザの代わりとして仮想ユーザを使用します。仮想ユーザが実行するアクションは一般的に仮想ユーザ・スクリプトに記録されます。
VuGen を使用して,一般的なビジネス・プロセスを実行するユーザを記録することで,仮想ユーザ・スクリプトを作成します。この仮想ユーザ・スクリプトを使用して,実際の状況をエミュレートできます。
仮想ユーザ・テクノロジ
VuGen では,クライアント・アプリケーションで典型的なビジネス・プロセスを実行しているユーザの操作を記録することによって,仮想ユーザ・スクリプトを作成します。VuGen は記録セッション中に実行されたアクションを記録しますが,記録されるのはクライアントとサーバの間のやり取りだけです。
記録中に,VuGen はクライアント側を監視し,サーバとの間で送受信されるすべての要求を追跡します。
記録後,記録セッション中に実行されたアクションを定義するさまざまな関数が生成されます。VuGen では,これらの関数が VuGen エディタに挿入されることによって,基本となる仮想ユーザ・スクリプトが作成されます。
アプリケーションによるサーバへの API 関数呼び出しを手動でプログラミングする代わりに,VuGen は,実際に起こった状況をモデル化しエミュレートする関数を,自動的に生成します。
VuGen では,仮想ユーザ・スクリプトの記録だけでなく再生も可能です。VuGen でのスクリプト再生はデバッグに役立ちます。スクリプトを実行することによって,仮想ユーザ・スクリプトが大規模なテストの一部としてどのように動作するかを確認できます。
再生時には,仮想ユーザ・スクリプトがサーバ API の呼び出しを実行して,サーバと直接やり取りします。仮想ユーザがサーバと直接通信するときは,システム・リソースがクライアント・インタフェースで必要になりません。このため,1 台のワークステーションで多数の仮想ユーザを同時に実行でき,数台のテスト用マシンだけで大きなサーバ負荷をエミュレートすることが可能になります。
また,仮想ユーザ・スクリプトはクライアント・ソフトウェアに依存しないため,クライアント・ソフトウェアのユーザ・インタフェースが完成していなくても,仮想ユーザを使ってサーバのパフォーマンスを検査できます。
仮想ユーザ・スクリプトは,スクリプトを組み込んだいくつかの OpenText 製品で使用できます。
1 つのオプションは,Controller を使用して LoadRunner Professional シナリオにそれらを追加することです。Controller で仮想ユーザを実行すると,システムの応答に関する情報を収集します。テストの実行後に,それらの情報を Analysis ツールを使って表示できます。たとえば,銀行の ATM から現金を引き出す 100 の仮想ユーザを同時に実行して,そのときのサーバの動作を観察することができます。詳細については,LoadRunner Professional ヘルプセンターを参照してください。
VuGen は Windows プラットフォームでのみスクリプトを記録します。しかし,記録した仮想ユーザ・スクリプトは,Windows および Linux の両プラットフォームで再生できます。Linux 環境では,VuGen のテンプレートを土台にして仮想ユーザ・スクリプトのプログラミングを手動で行うこともできます。詳細については,「Linux の仮想ユーザ・スクリプト」を参照してください。
MS Visual Studio などのご使用のネイティブ・プログラミング・アプリケーションで仮想ユーザ・スクリプトをプログラムできます。API にアクセスするには,VuGen インストール・パッケージで提供されている適切な IDE アドインをインストールします。
仮想ユーザのタイプ
テストのタイプに応じて,さまざまな仮想ユーザのタイプがあります。
仮想ユーザのタイプ![]() |
説明![]() |
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プロトコル・ベースの仮想ユーザ |
VuGen で開発されたスクリプトを実行する仮想ユーザ。VuGen は,一般的な通信プロトコルのほとんどをサポートしています。利用可能な仮想ユーザ・プロトコルの完全なリストについては,「VuGen プロトコル」を参照してください。 シングル・プロトコルまたはマルチ・プロトコルを使用して仮想ユーザ・スクリプトを作成できます。 |
ユニット・テスト・ベースの仮想ユーザ |
サポートされているバージョンの Microsoft Visual Studio または Eclipse で作成される,.dll または .jar/.class ファイル形式のユニット・テストを実行する仮想ユーザ。 これらのテストを作成するには,VuGen インストール・パッケージの Additional Components フォルダにある開発者向け IDE のアドインをインストールします。 |
GUI 仮想ユーザ |
ユーザ・インタフェース・レベルで機能テストを実行する仮想ユーザ。これらのテストは,UFT(Unified Functional Testing)などの OpenText Functional Testing ソフトウェアを使用して作成します。 Windows ベースの Load Generator では,GUI 仮想ユーザを 1 つだけ実行できます。複数の GUI 仮想ユーザを実行するには,Citrix セッションを使用できます。Windows ベースの GUI 仮想ユーザの詳細については,「LoadRunner での Unified Functional Testing の使用」を参照してください。 |
関連項目: