ビジネス・ビューの作成

この項では、レポート・ツールの基礎として使用できるビジネス・ビューを作成する方法について説明します。

このトピックの内容:

ビジネス・ビューの概要

ビジネス・ビューとは関連データを集めたデータ層であり、各種レポート・ツールのデータ基盤となります。ビジネス・ビューを元にレポートを作成すると、同じビジネス・ビューを元に作成したレポートはすべて共通の範囲を参照することになるので、レポートを標準化することができます。

ビジネス・ビューはプロジェクト・エンティティに基づいて作成され、ビジネス・コンシューマに関連する情報のみをレポートに表示します。

Example: ビジネスで役立つ情報をレポート・コンシューマに提供するためには、特定の不具合に関連するエンティティ・フィールドのみを選択してビューを作成します。このビューは、レポートの元データとして再利用可能になります。

たとえば、[ベースライン]に基づくビジネス・ビューには、[名前]、[説明]、[ベースライン ID]の各フィールドが含まれています。これは、これらのフィールドが、ビジネスのみに特化した視点でベースライン情報を把握する必要があるグラフ・コンシューマにとって重要になる可能性がある情報を提供するためです。したがって、[添付]と[自動入力タイプ]の各フィールドは、ビジネス上の重要性が低いので、このビューには含まれていません。

ビジネス・ビューには、単一のプロジェクト・エンティティ(不具合など)を示すビューや、複数のエンティティ(不具合、要件、テストなど)間の関係を示すさらに複雑なビューがあります。いくつかのビジネス・ビューが事前定義されています。

ビジネス・ビューを作成するには、組織のビジネス要件をよく把握しておく必要があります。さらに、ビジネス・ビューの作成プロセスでは、ANSI SQL の一種である DQL(ドメイン・クエリ言語)が使用されます。DQL クエリに関する知識が必要になります。DQL の操作に関する詳細については、DQL の使用を参照してください。

先頭に戻る

ビジネス・ビューの作成

このタスクでは、ビジネス・ビューを作成する方法について説明します。

ビジネス・ビューを作成するには、次の手順を実行します。

  1. [プロジェクト カスタマイズ]ウィンドウの[ビジネス ビュー]リンクをクリックします。

    ビュー・ツリーには、定義済みのビューとユーザ定義のビューが表示されます。ビュー名の横にあるアイコンは、ビューのステータスを示します。

    発行済み ビューは有効であり、発行されています。
    未発行 ビューは有効ですが、発行されていません。
    無効 ビューは無効です。
  2. ビューの追加]をクリックします。[新規ビュー]ダイアログ・ボックスで、ラベルとテクニカル名を入力し、[OK]をクリックします。

    ラベル

    識別用にビューに割り当てる名前。たとえば、ビュー・ツリー内や、アナリシス・ビュー・モジュールでビューを選択すると、ビューはラベル順に表示されます。

    ラベルを変更するには、選択したフィールドのグリッドにある[エイリアス]カラムを使用します。サブ・エンティティのフィールドのラベルは変更できません。

    テクニカル名

    DQL クエリの一部として使用されるビューの名前。

    空白文字は指定できません。

  3. ビジネス・ビューにプロジェクト・エンティティを追加します。

    1. クエリ デザイナ]タブで、[エンティティの追加]をクリックします。

      右の表示枠にモデル・ツリーが開き、現在のプロジェクトに含まれるプロジェクト・エンティティとフィールドがすべて表示されます。エンティティはラベル順に表示され、テクニカル名が括弧付きで表示されます。

    2. 新しいビジネス・ビューに追加するエンティティを選択し、[クエリ デザイナ]タブの中程にある[メイン]表示枠にドラッグします。

      追加するプロジェクト・エンティティごとに<プロジェクト・エンティティ>のダイアログ・ボックスが追加され、エンティティに含まれる利用可能なフィールドが表示されます。ビューに含める特定のフィールドを選択します。

    注: ビュー]の横にある下向き矢印をクリックして、[クエリ デザイナ]タブで目的のビューを選択できます。

    • QBE のみ:DQL クエリ・ビルダを非表示にします。

    • DQL のみ:DQL クエリ・ビルダのみを表示します。

    • QBE および DQL:[クエリ デザイナ]タブ全体を表示します。これが標準設定のビューです。

  4. 選択したエンティティ間の関係を定義します。

    エンティティの関係は次のいずれかの方法で作成できます。

    • <プロジェクト・エンティティ>のダイアログ・ボックスを選択し、[クエリ デザイナ]タブで[関連エンティティの追加]をクリックします。

      ソース・エンティティ

      現在選択されているエンティティ。

      ターゲット・エンティティ ドロップダウン・リストからターゲット・エンティティを選択します。利用可能なエンティティが、ラベルとテクニカル名(括弧内)と一緒に表示されます。

      関係名

      ソース・エンティティとターゲット・エンティティの関係に付けられた名前が表示されます。関係名が複数存在する場合、ドロップダウン・リストから名前を選択できます。
    • エンティティを複数選択した場合は、エンティティ間でフィールドをドラッグして関係を作成します。

    • [DQL クエリ ビルダ]にクエリを直接入力します。DQL の使用を参照してください。

  5. (オプション)選択したフィールドのフィルタ条件は、選択したフィールドのグリッドで編集および定義できます。詳細については、フィルタ条件を参照してください。

  6. (オプション)エンティティの関係を編集するには、関係を示すラインをダブルクリックします。

    左のオブジェクト/右のオブジェクト 結合されたエンティティのテクニカル名が表示されます。
    左からすべて選択/右からすべて選択 内部結合、左結合、右結合、外部結合をチェックボックスで選択します。
    結合式 結合式を編集できます。
  7. ビジネス・ビューを検証するには、[クエリ デザイナ]タブで[ビューの検証]をクリックします。

    次のチェックが実行されます。

    • DQL 構文が正しい。

    • クエリに、選択したエンティティのフィールドのみが含まれている。

    クエリ デザイナ]タブの下にある[クエリ結果]表示枠に、警告メッセージまたはエラー・メッセージが表示されます。

  8. ビジネス・ビューをプレビューするには、[クエリ デザイナ]タブで[プレビュー]をクリックします。

    • クエリ結果:有効なビューのみ。ビューのプレビューが表示されます。
    • クエリ・メッセージ:無効なビューのみ。ビューの問題の詳細な内容を示すメッセージが表示されます。メッセージにカーソルを置くとツールヒントが開き、メッセージ全文が表示されます。
  9. ビジネス・ビューのステータスを更新するには、[クエリ デザイナ]タブで[ステータス]の矢印をクリックし、[発行済み]を選択します。

    • 発行済み:ビューは利用可能です。
    • 未発行:ビューは利用できません。

    注:  

    • ビジネス・ビューは、警告メッセージが表示されていても発行できます。ただし、エラーが表示されている場合は発行できません。また一部のビジネス・ビューでは、警告メッセージが表示されている場合、ビジネス・ビュー・レポートが作成されないことがあります。たとえば、フィールドやエイリアスが重複した状態でビジネス・ビューを作成すると警告メッセージが表示され、レポートは作成されません。

    • ビューを[未発行]から[発行済み]に変更する場合、最初にビューが検証され、その後ステータスが変更されます。

    • ビューを[発行済み]から[未発行]に変更すると、そのビューに基づくレポートやグラフを表示できなくなります。

  10. [ビジネス ビュー]ページの[保存]をクリックします。

先頭に戻る

参照情報: