Insight によるオブジェクトの識別

関連:GUI テストおよびコンポーネント

Insight を使用すると,UFT One でアプリケーション内のオブジェクトを,オブジェクトのデザインの一部であるプロパティではなく,オブジェクトの外観に基づいて識別させることができます。これは,UFT One でサポートされていないテクノロジを使ったアプリケーションや,リモート・コンピュータで実行されているアプリケーションを使用するときに役立ちます。

注: Insight は,プライマリ・モニタのみでサポートされます。

概要

Insight を使用すると,UFT One は Insight テスト・オブジェクトとともに(必要に応じて順序識別子も含めて)オブジェクトの画像を格納し,アプリケーション内のオブジェクトを識別するための主な記述プロパティとしてこの画像を使用します。

InsightObject テスト・オブジェクトの作成は,記録セッション中,またはテスト・オブジェクトをオブジェクト・リポジトリに手動で追加するときに可能です。

オブジェクト・リポジトリへのオブジェクトの追加は,アプリケーションから直接,または画面に表示されているオブジェクトの画像から可能です。

オブジェクト・リポジトリでは,名前や画像などのオブジェクトのプロパティのほか,テスト・オブジェクト・メソッドを実行するときにコントロール内でクリックする標準設定の場所を編集できます。また,ビジュアル関係識別子を定義することで,UFT One がオブジェクトをさらに正確に識別できるようにすることもできます。

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Insight テスト・オブジェクトの作成

UFT One は,以下の要素を使用して Insight オブジェクトを学習します。

記述プロパティ

UFT One は,オブジェクトの画像を格納し,この画像をメインの記述プロパティとして使用して,アプリケーション内のオブジェクトを識別します。

UFT One は,確実に一意に識別できるように,次の追加の記述プロパティも使用します。

  • similarity:アプリケーション内のコントロールがテスト・オブジェクトの画像にどのくらい類似していれば一致と見なされるかを指定します。

  • skipmakeobjvisible:オブジェクトを識別しようとする前に,オブジェクトが表示されていることを確認するステップをスキップするかどうかを指定します。

    たとえば,UFT One がオブジェクトを表示しようとすると,オブジェクトを識別できるようになる前に,アプリケーション・ウィンドウが閉じます。

  • methodoptionorderUFT One が画像照合アルゴリズムを使用する順序を指定します。

  • ratiotestthreshold:ある特徴の最も近い一致からの距離と,2 番目に近い一致の距離の比率のしきい値。

領域を無視

オブジェクトの一部が常に同じように表示されない場合は,UFT One が画像を使ってオブジェクトを識別するときに,これらの領域を無視するように指定できます。

順序識別子

UFT One は順序識別子を使用してそのオブジェクトの一意の記述を作成することができます。

必須プロパティや補足プロパティ,スマート認識など,オブジェクト設定のほかの側面は Insight テスト・オブジェクトには関連しません。

ビジュアル関係識別子

UFT One が Insight テスト・オブジェクトの記述を作成した後,ビジュアル関係識別子を追加してオブジェクトの認識を容易にすることができます。

Insight オブジェクトは常に,Window または Browser オブジェクトなど,含まれているアプリケーションを表すテスト・オブジェクトの子としてオブジェクト・リポジトリに追加されます(新しいオブジェクトの親オブジェクトがオブジェクト・リポジトリに存在しない場合は,親オブジェクトも追加されます)。

注: Insight テスト・オブジェクトでは,テスト・オブジェクトの画像とスナップショットもあわせて格納されるため,ほかのテスト・オブジェクトよりも多くのディスク容量が必要です。

使用する容量を制御するには,[Insightとテキストオブジェクト]表示枠([オプション]ダイアログ・ボックス>[GUI テスト]タブ)でスナップショットのサイズを制限します。

関連するすべてのテスト・オブジェクトを追加し,オブジェクト・リポジトリで十分に変更を行った後,スナップショットをすべて削除してディスク使用量を減らすこともできます。

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Insight テスト・オブジェクトのステップの作成

Insight テスト・オブジェクトを使用したステップの作成方法は,ほかのタイプのテスト・オブジェクトの場合とほとんど同じです。

エディタ内のステップには,テスト・オブジェクトの名前ではなくテスト・オブジェクトの画像が表示されます。画像にカーソルを合わせると,画像の拡大図が表示されます。画像をダブルクリックすると,InsightObject が選択された状態でオブジェクト・リポジトリが開きます。

ヒント: これらの画像を表示するには,[オプション]ダイアログ・ボックスで関連するオプションを選択します([ツール]>[オプション]>[GUI テスト]タブ>[Insight]表示枠)。

Insight テスト・オブジェクトでサポートされているメソッドとプロパティの詳細については,『UFT One Object Model Reference for GUI Testing』 の「Insight」の項を参照してください。

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Insight を使用したテストの実行

実行セッションの際に,UFT One はテスト・オブジェクトとともに格納されている画像と一致する Insight テスト・オブジェクトを検索します。

UFT One は,Insight オブジェクトの親テスト・オブジェクト内で一致するオブジェクトを検索します。より小さな領域で検索できるようにするには,より小さな親オブジェクトを作成し,オブジェクトのリポジトリに Insight テスト・オブジェクトの階層を作成します。

UFT One の画像照合アルゴリズムでは多少の変動が許容されているため,オブジェクトに少し変化があっても認識可能です。ただし,このアルゴリズムはオブジェクトのプロパティに基づいてはいないため,スマート認識メカニズムは使用されません。

注: Insight オブジェクトを含むステップは,通常よりも実行に時間がかかることがあります。特に,同じ親を持つ類似のオブジェクトが多数ある場合は,その傾向があります。

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その他の参照項目: