VTS の概要

VTS(Virtual Table Server)は,仮想ユーザ・スクリプトと連携する Web ベースのアプリケーションです。VTS は,標準の VuGen パラメータ化に対する代替手段を提供します。

このトピックの内容:

標準のパラメータ化と VTS パラメータ化

VuGen を使用して仮想ユーザ・スクリプトを記録すると,生成されたスクリプトには通常,記録中に検出された実際の値が含まれています。たとえば,サーバによって,サイトにアクセスする各ユーザに一意の ID が割り当てられる場合があります。この一意の ID がスクリプトに含まれていることがあります。記録された値とは異なる値を使用して,仮想ユーザでスクリプトのアクション(クエリ送信など)を実行する場合は,スクリプト内の記録された値をパラメータに置き換えます。これを,スクリプトの「パラメータ化」と呼びます。

パラメータが含まれる仮想ユーザ・スクリプトを実行する場合,パラメータが呼び出されるたびに,そのパラメータに値を割り当てる必要があります。VuGen では,パラメータに値を割り当てる方法が 2 種類用意されています。

  • 標準のパラメータ化機能。VuGen のパラメータ化の詳細については,「 パラメータ化の概要」を参照してください。
  • Virtual Table Server(VTS)。VTS 機能は,スクリプト言語として C を使用するすべての仮想ユーザ・プロトコルでサポートされています。

標準のパラメータ化を使用すると,各仮想ユーザに専用の値セットからのパラメータ値が割り当てられます。パラメータ値は仮想ユーザ間で共有されません。それに対して,VTS では,単一の値のセットから複数の仮想ユーザにパラメータ値を割り当てることができます。そのため,現実のユーザ環境をより正確にエミュレートできる場合があります。

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VTS コンポーネント

VTS は,VTS-Client と VTS-Server の 2 つのコンポーネントで構成されています。VTS-Client は,VTS-Server のデータにアクセスするために使用される一連の API 関数です。VTS API 関数は VuGen に統合されているため,VTS-Client をインストールする必要はありません。VTS-Server には,仮想ユーザ・スクリプトで使用できるパラメータ値を含むテーブルがあります。VTS テーブルは,列と行で構成されます。各列は,仮想ユーザ・スクリプトの特定のパラメータに割り当てが可能な値のセットを表します。列内のセルには,パラメータに割り当てられる実際の値が含まれます。

Windows または Linux マシンに VTS をインストールすることも,Linux 上で Docker コンテナを使用して VTS を実行することもできます。Windows または Linux マシンに VTS をインストールするには,「VTS のインストール」を参照してください。Linux 上で Docker コンテナを使用して VTS を実行するには,「Docker コンテナでの VTS の実行」を参照してください。

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関連項目: