ベースラインの概要

ライブラリを作成したら、ベースラインを作成できます。ベースラインとは、特定の時点で取得したライブラリのスナップショットです。ベースラインを使用して、アプリケーション開発ライフサイクルにおける任意の重要なマイルストーンをマークできます。ベースラインには、要件、テスト、テスト・リソースなど、ライブラリ内で定義されたすべてのエンティティが含まれます。また、ベースラインには次も含まれます。

  • トレーサビリティやカバレッジなど、ライブラリ内のエンティティ間の関係

  • 呼び出されたテストやテスト・リソースなど、ライブラリ内のテストを実行するために必要となるライブラリ外の関連エンティティ

ベースラインを使用することによって、時間の経過とともにプロジェクトに対して行われた変更の内容を記録しておくことができます。ベースラインは、次のいずれかの方法で利用できます。

  • アプリケーション開発ライフサイクルのあらゆる段階でベースラインを比較します。たとえば、ライブラリ内の 2 つのベースラインを比較して、一定時間内に要件に加えられた変更の影響を評価できます。さらに検証結果に基づいて、プロジェクトで行うテストを更新することができます。また、ベースラインは、ライブラリ内にある現在のエンティティと比較することもできます。

  • テスト・セットをベースラインに設定これにより、テスト・セットを実行すると、指定したベースラインに格納されたテストのバージョンが実行されるようになります。詳細については、固定されたテスト・セットを参照してください。

  • ベースラインを使用してライブラリ内のエンティティを共有します。これにより、ライブラリのエンティティをプロジェクト内または別のプロジェクトで再利用できます。エンティティを共有または再利用するには、ライブラリをインポートします。ライブラリにはベースラインが含まれている必要があります。ライブラリのインポートの詳細と制限事項については、インポートされたライブラリの概要を参照してください。

    編集: インポートされたライブラリの機能は、ALM エディション および OpenText Enterprise Performance Engineering のエディション でのみ利用できます。エディションとその機能の詳細については、エディションとライフサイクルを参照してください。使用しているエディションを調べるには、サイト管理者に問い合わせてください。

次の例は、ベースラインの使用方法を示します。

Example: リリース内容の設定と関係者の承認

組織でアプリケーションの新しいバージョンの開発を開始します。ビジネス・アナリストの Robert は、確認のために関係者に一連の要件を紹介します。要件が確認され、承認されたら、ベースラインを作成します。その後、関係者は合意したリリース内容を承認できます。

Example: 変更の監視

製品マネージャの Kelly は、予期していない方法で製品開発が行われていることに気づきます。彼女は、製品の要件を確認して一部が変更されていることを見つけます。現在の要件と、リリースの開始時に作成、承認されたベースラインの要件とを比較します。

Example: 変更の影響を評価

QA テスト担当者の Michael は、最新のアプリケーションのリリースの一部である大規模なテストを受け持ちます。彼は、リリースの要件に従ってテストの一部を更新します。最新の要件確認の打ち合わせに従って、一部の要件の変更を通知されます。Michael は、現在の要件と、リリースの開始時に作成されたベースラインの要件とを比較します。自分の担当分のテストに影響がある変更を特定し、テストを更新して変更を反映させます。

親トピック: ライブラリの概要