バージョン管理

バージョン管理により、エンティティを作成および管理しながら、これらのエンティティの以前のバージョンを維持できます。

このトピックの内容:

概要

バージョン管理を有効にしたプロジェクトでは、エンティティを作成および管理しながら、これらのエンティティの以前のバージョンを維持できます。バージョン管理機能は、要件、ビジネス・モデル、テスト計画、ビジネス・コンポーネント、テスト・リソースの各モジュールで利用できます。

バージョン管理を有効にしたプロジェクトでエンティティに変更を加えるには、最初にエンティティをチェックアウトする必要があります。エンティティをチェックアウトすると、エンティティがロックされ、加えた変更をほかのユーザが上書きするのを防ぐことができます。エンティティのチェックアウトしたバージョンは、ほかのユーザには表示されません。

変更を加え終わったら、エンティティをチェックインします。これで、エンティティの新しいバージョンを、ほかのユーザが利用できるようになります。

エンティティの以前のバージョンをすべて表示したり、または以前のバージョンをチェックアウトしたりできます。また、エンティティの 2 つのバージョンを比較してバージョン間の変更内容を表示できます。

注: バージョン管理は、単一エンティティにのみ適用されます。ユーザビリティおよびデータの完全性を維持するために、ほとんどのデータがエンティティ間の関係に関係なく、エンティティの以前のバージョンが保存されます。エンティティがチェックインされると、個別のエンティティのデータのみが格納されます。要件およびテスト・カバレッジ、要件トレーサビリティ、および不具合のリンクのデータは、バージョンについては保存されません。また、リスク・データもエンティティの以前のバージョンについては保存されません。

ベースラインによって、エンティティ・セットのスナップショットとそれらのエンティティ間の関係が示されます。詳細については、ベースラインの概要を参照してください。

先頭に戻る

バージョン管理の使用例

次の例は、バージョン管理を使用できるタイミングを示します。

変更内容の監視とバージョンの比較

製品マネージャの Kelly は、予期していない方法で製品開発が行われていることに気づきました。彼女は、製品の要件を確認して一部が変更されていることを見つけます。彼女は、現在の要件をリリースの最初に合意した要件のバージョンと比較します。

前バージョンの復元

QA テスト担当者の Michael は、現在開発中の銀行用アプリケーションの新しいビルドを受け取ります。彼は、新しいリリースのニーズを満たすために関連するテストの更新を開始します。この段階で、開発チームからビルドに関する重要な問題について通知がありました。開発は以前のビルドにロールバックされることになります。Michael は、チェックアウトして以前のビルドに使用したテストのバージョンに戻し、そこからテストを続けることを決定します。

編集のためのエンティティのロック

ビジネス・アナリストの Robert は、あるアプリケーションの特定の機能を更新したいと考えています。このためには、一連の要件を更新する必要があります。要件を更新するのに必要な数日の間、ほかのユーザに要件を変更してほしくないと考えています。Robert は関連する要件をチェックアウトして編集を開始します。

先頭に戻る

バージョン管理の使用

このタスクでは、プロジェクトでのバージョン管理の使用方法について説明します。バージョン管理により、エンティティを作成および管理しながら、これらのエンティティの以前のバージョンを維持できます。

前提条件

バージョン管理が有効になっていることを確認します。詳細については、プロジェクトのバージョン管理の有効化と無効化を参照してください。

エンティティのチェックアウト

バージョン管理を有効にしたプロジェクトでエンティティに変更を加える前に、エンティティをチェックアウトする必要があります。

エンティティをチェックアウトするには、次のいずれかの方法を使用します。

自動チェックアウト

エンティティの編集を開始すると、[チェックアウト]ダイアログ・ボックスが表示され、エンティティをチェックアウトできます。

手動チェックアウト

次のいずれかを行います。

  • エンティティを右クリックして[バージョン]>[チェックアウト]を選択します。

  • エンティティを選択して[履歴]>[バージョン]タブをクリックします。バージョンを選択して、[チェックアウト]をクリックします。

現在のユーザによってチェックアウトされたエンティティは、開いた緑色の鍵のアイコンで表示されます。ほかのユーザによってチェックアウトされたエンティティは、赤色の鍵のアイコンで表示されます。

チェックアウトの取り消し

エンティティをチェックアウトした後で、変更をキャンセルするためにチェックアウトを取り消すことができます。

チェックアウトを取り消すには、エンティティを右クリックして[バージョン]>[チェックアウトの取り消し]を選択します。

ほかのユーザがチェックアウトしたエンティティのチェックアウトを取り消すには、適切なユーザ権限が必要です。詳細については、グループとアクセス許可の管理を参照してください。

チェックアウトを取り消す場合、エンティティがチェックアウトされている間にバージョン管理されていないフィールドに加えられた変更内容は取り消されずに、新しい値が残ります。

エンティティのチェックイン

変更が終了したら、エンティティをチェックインして、ほかのユーザが利用できる新しい更新済みバージョンを作成します。

次のいずれかを実行します。

単一エンティティのチェックイン エンティティを右クリックして[バージョン]>[チェックイン]を選択します。
複数エンティティのチェックイン 複数のエンティティを選択します。モジュール・ツールバーで、[チェックインボタンをクリックします。

すべてのチェックアウト済みエンティティの表示

現在のモジュールでチェックアウトしたすべてのエンティティを表示して、選択したエンティティのチェックイン、またはチェックアウトの取り消しができます。

次のいずれかを行います。

  • ウィンドウの右上隅にある[チェックインをクリックします。

  • モジュール・メニュー・バーで、[バージョン]>[未チェックイン]を選択します。

エンティティの 2 つのバージョンの比較

バージョン管理を有効にしたプロジェクトで、エンティティの 2 つのバージョンを比較できます。

エンティティの 2 つのバージョンを比較するには、エンティティを選択し、[履歴]>[バージョン]タブをクリックして 2 つのバージョンを選択し、[比較]をクリックします。

チェックアウトされたエンティティのコピー、移動、削除

チェックアウトされたエンティティの移動、コピー、削除を行うときは、次のガイドラインを考慮してください。

単一のエンティティの場合

説明

切り取り/貼り付けまたは移動

コピー/貼り付け

削除

現在のユーザがチェックアウトしたエンティティ

ほかのユーザがチェックアウトしたエンティティ

現在チェックインされているバージョンが貼り付けられます。

フォルダに複数のエンティティがある場合

切り取り/貼り付けまたは移動

コピー/貼り付け

削除

フォルダ内のすべてのエンティティがチェックインされている必要があります。

フォルダ内のすべてのエンティティが、現在のユーザによってチェックインまたはチェックアウトされている必要があります。

複数のエンティティの場合(複数選択)

切り取り/貼り付けまたは移動

コピー/貼り付け

削除

選択したすべてのエンティティが、現在のユーザによってチェックインまたはチェックアウトされている必要があります。

選択したすべてのエンティティがチェックインされている必要があります。

選択したすべてのエンティティが、現在のユーザによってチェックインまたはチェックアウトされている必要があります。

先頭に戻る

バージョン管理フィールド

以下の表は、モジュールで利用できるバージョン管理フィールドを示しています。

フィールド

説明

バージョンの日付

バージョンに対して最後のアクション(チェックインまたはチェックアウト)が実行された日付。

テスト計画モジュールでのみ利用可能です。

バージョンのチェックアウト日付

バージョンがチェックアウトされた日付。

テスト計画モジュールまたはテスト・リソース・モジュールでは使用できません。

バージョンのチェックアウト時刻

バージョンがチェックアウトされた時刻。

テスト計画モジュールまたはテスト・リソース・モジュールでは使用できません。

バージョンのチェックアウト実行者

バージョンをチェックアウトしたユーザの名前。

テスト・リソース・モジュールでは使用できません。

バージョン番号

新しいエンティティに割り当てられるバージョン番号は 1 です。エンティティがチェックインされると、バージョン番号は 1 ずつ増加します。

バージョンのステータス

バージョン(チェックアウトまたはチェックイン)のステータス。

テスト・リソース・モジュールでは使用できません。

バージョンの所有者

最後のアクション(チェックインまたはチェックアウト)を実行したユーザの名前。

テスト計画モジュールでのみ利用可能です。

バージョン時間

バージョンに対して最後のアクション(チェックインまたはチェックアウト)が実行された時間。

テスト計画モジュールでのみ利用可能です。

先頭に戻る

バージョン管理フィールドによるフィルタ処理

プロジェクト・データをフィルタリングして、要件、ビジネス・モデル、テスト計画、テスト・リソース、テスト・ラボの各モジュールでチェックアウトされたエンティティのみを表示できます。

次の表は、フィルタ条件の設定方法を示します。

フィルタの説明

テスト計画モジュール用のフィルタ条件

それ以外のモジュール用のフィルタ条件

ユーザ自身がチェックアウトしたエンティティすべての表示

バージョンのステータス]=[Checked Out]、[バージョンの所有者]=<自分自身のユーザ名>

バージョンのチェックアウト実行者]=<自分自身のユーザ名>

他のユーザがチェックアウトしたエンティティすべての表示

バージョンのステータス]=[Checked Out]、[バージョンの所有者]=<他のユーザのユーザ名>

バージョンのチェックアウト実行者]=<他のユーザのユーザ名>

フィルタの定義の詳細については、[フィルタ]ダイアログ・ボックスを参照してください。

先頭に戻る

バージョン管理されないフィールド

バージョン管理を使用する場合、次のフィールドに加えられた変更は、エンティティの以前のバージョンに保存されません。

エンティティ

フィールド

要件

  • レビュー済み

  • 直接カバレッジ・ステータス

  • ターゲット・リリース

  • ターゲット・サイクル

  • すべての[RBQM]フィールド

テスト

実行ステータス

バージョン管理を有効にしたプロジェクトでバージョン管理されていないフィールドを使って作業する場合は、次の点を考慮します。

アクション

結果

チェックアウトの取り消し

エンティティがチェックアウトされている間にバージョン管理されていないフィールドに加えられた変更内容は取り消されずに、新しい値が残ります。

以前のバージョンのチェックアウト

バージョン管理されていないフィールドの値は、現在チェックインされているバージョンの値になります。

以前のバージョンの表示および比較

バージョン管理されていないフィールドは、[バージョン管理されないフィールド]の値とともに表示されます。

以前のバージョンを表示および比較する場合、バージョン管理データが保存されていないページ([リンクされたエンティティ]ページ、[要件トレーサビリティ]ページなど)は表示されません。

先頭に戻る