ビジネス・コンポーネントの概要

ビジネス・コンポーネントは、ビジネス・プロセスで特定のタスクを実行し、タスクの前後のアプリケーションの条件または状態を記述する再利用可能なユニットです。

このトピックの内容:

ビジネス・コンポーネントのシェルとコンテンツ

ビジネス・コンポーネントは、シェルとコンテンツで構成されます。コンポーネントは、複数のビジネス・プロセス・テストおよびフローで使用することができます。コンポーネントまたはそのコンテンツを変更すると、そのコンポーネントを含むすべてのビジネス・プロセス・テストに変更が反映されます。

シェル

コンポーネントの名前やステータスなどの一般的な情報。

コンポーネントの作成およびシェルの提供に関するタスクの詳細については、OpenText Application Quality Management でのビジネス・コンポーネントの作成を参照してください。

コンテンツ

ステップまたはスクリプト。

コンポーネントの手動ステップやオートメーションなどの下位レベルの詳細情報。コンテンツでは、アプリケーションでビジネス・プロセス・タスクを実行するための詳細な手順を指定します。

ビジネス・コンポーネントのコンテンツは、コンポーネントの手動実装またはオートメーションのどちらを作成するかに応じて、手動、自動、またはその両方になります。

手動コンポーネントの作成の詳細については、手動ビジネス・コンポーネントの使用を参照してください。

自動コンポーネントの作成に関するタスクの詳細については、キーワード GUI オートメーションの使用およびスクリプト GUI および API オートメーションの使用を参照してください。

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手動ビジネス・コンポーネント

手動ステップと期待される結果の形でビジネス・コンポーネントの手動コンテンツを作成または変更するには、ビジネス・コンポーネント・モジュールの[手動実装]タブを使用します。

手動ステップは、ビジネス・プロセス・テストまたはフロー内のコンポーネントを実行するときに、アプリケーションで実行する必要のある操作を表します。各ステップは、ステップ名、アプリケーション上で実行する手順の説明、そのステップの実行に関する期待される結果(存在する場合)から構成されます。OpenText Application Quality Management で手動コンポーネントを使用してビジネス・プロセス・テストまたはフローを実行すると、手動コンポーネントで定義されたステップが実行されます。

タスクの詳細については、手動ビジネス・コンポーネントの使用を参照してください。

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自動ビジネス・コンポーネント

スクリプトとして、またはキーワード駆動型のステップと期待される結果の形式で自動ビジネス・コンポーネントのコンテンツを作成または変更するには、ビジネス・コンポーネント・モジュールの[オートメーション]タブを使用します。

スクリプトとしての自動ビジネス・コンポーネント・コンテンツの作成または変更

OpenText Functional Testing(スクリプト GUI または API のオートメーション)または UFT Developer(UFT Developer のオートメーション)などのテスト・ツールで実装されます。

キーワード駆動型のステップと期待される結果の形式での、自動ビジネス・コンポーネント・コンテンツの作成または変更

キーワード GUI オートメーション。

ステップは、ビジネス・プロセス・テストまたはフローでコンポーネントを実行時にアプリケーション内で手動で実行する必要がある操作を表しています。各ステップは、項目(アプリケーションまたは操作内のオブジェクト)と操作から構成されています。利用可能な項目と操作は、オートメーション・エンジニアがオブジェクト・リポジトリと関数ライブラリで定義します。これらのオブジェクトと操作は、OpenText Application Quality Management に保存され、非技術分野の専門家によってステップに挿入できるようになります。

注:本ヘルプのほとんどの情報、例、画像は、キーワード GUI の自動コンポーネントでの作業に焦点を当てています。ただし、これらの情報の大半はスクリプト・コンポーネント(スクリプト GUI または API)にも適用されます。

オートマティック・ランナーを使用してOpenText Application Quality Management でビジネス・プロセス・テストまたはフローを実行する場合、自動コンポーネントで定義されたステップまたはスクリプトが実行されます。

オートメーションのフェーズ

自動コンポーネントの作成は、次のフェーズで構成されます。

フェーズ

説明

オートメーション・タイプの選択

オートメーション・タイプの選択時に、コンポーネントのオートメーションを作成します。このフェーズが終わると、OpenText Functional Testing などの対応するテスト・ツールでコンポーネントにアクセスできます。

OpenText Application Quality Management 内で自動コンポーネントを作成するのは、通常、非技術分野の専門家です。

コンテンツ・オートメーションの準備

コンポーネント・コンテンツのオートメーションを準備します(たとえば、アプリケーション領域の選択などを行います)。

OpenText Application Quality Management 内で自動コンポーネントを準備するのは、通常、非技術分野の専門家です。

コンテンツ・オートメーション

ステップを作成します。このステップは、テスト・ツールを使用してコンポーネントを実行するときに自動的に実行される操作を表します。

このフェーズの後、ステップは完全に自動化され、自動コンポーネントは一時停止せずにオートマティック・ランナーで実行できます。

OpenText Application Quality Management 内でのステップの自動化は、通常、非技術分野の専門家とオートメーション・エンジニアの共同で実行されます。

オートメーション・タイプ

Business Process Testing には、次のオートメーション・タイプがあります。

オートメーション・タイプ

説明

キーワード GUI オートメーション

OpenText Application Quality Management 内からキーワード・ビューでキーワード GUI の自動ステップを作成、変更できます。

タスクの詳細については、キーワード GUI オートメーションの使用を参照してください。

注: OpenText Application Quality Management のキーワード・ビューには、OpenText Functional Testing のビジネス・コンポーネント・キーワード・ビューと類似の機能が備わっています。OpenText Functional Testing の機能の詳細については、OpenText Functional Testing ヘルプを参照してください。

スクリプト GUI オートメーション

OpenText Functional Testing を起動して、スクリプト GUI と API の自動ステップを表示、変更できます。タスクの詳細については、スクリプト GUI および API オートメーションの使用を参照してください。

API オートメーション

OpenText Functional Testing または Service Test を起動して、API の自動ステップを表示、変更できます。タスクの詳細については、スクリプト GUI および API オートメーションの使用を参照してください。

API スクリプト・オートメーションは、OpenText 11.10 以降でサポートされます。詳細については、Service Test User GuideまたはOpenText Functional Testing ヘルプの API テストについての情報を参照してください。

UFT Developer オートメーション

UFT Developer オートメーション実装を表示および変更できます。タスクの詳細については、UFT Developer オートメーションの使用を参照してください。

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アプリケーション領域

アプリケーション領域には、コンテンツを自動化するのに必要なすべての設定およびリソースがあります。ビジネス・コンポーネントを作成し、関連付けるアプリケーション領域を選択すると、関連付けられたアプリケーション領域で定義されている設定とリソースがコンポーネントに組み込まれます。このため、後で UFT One 内でアプリケーション領域に加えられる変更は、コンポーネントに直接適用されます。ビジネス・コンポーネントに関連付けられているアプリケーション領域は削除できません。

アプリケーション領域の作成について

それぞれがアプリケーション内の異なる領域または側面を表す、複数のアプリケーション領域を作成できます。ビジネス・コンポーネントの基盤となる正しいアプリケーション領域を選択することが重要です。各アプリケーション領域には、正しい選択を行えるように詳細な説明が必要です。

アプリケーション領域がまだ作成されていないか、完全に定義されていない場合でも、自動コンポーネントの作成を開始できます。自動コンポーネントを作成するには、アプリケーション領域が利用可能になったときに作成する必要があるステップを記述したコメントを追加します。ただし、アプリケーション領域がまだ作成されていない場合、キーワード GUI のステップをコンポーネントに追加することはできません。

アプリケーション領域の作成者

アプリケーション領域を作成できるのは、次のユーザです。

OpenText Functional Testing ではオートメーション・エンジニア

UFT One でのアプリケーション領域の使用と作成の詳細については、OpenText Functional Testing ヘルプを参照してください。

ALM のテスト・リソース・モジュールでは、非技術分野の専門家またはオートメーション・エンジニア。

基本的なアプリケーション領域は、OpenText Application Quality Management テスト・リソース・モジュールの標準設定のテンプレートに基づいて作成できます。詳細については、テスト・リソースを参照してください。

テスト・リソース・モジュールでアプリケーション領域リソースを作成するときに、[標準設定アプリケーション領域として割り当てボタンを使用して、ある特定のアプリケーション領域を、ALM プロジェクトのすべてのコンポーネントで使用する標準設定のアプリケーション領域として定義できます。

ただし、アプリケーション領域のほとんどの機能は、非技術分野の専門家によって OpenText Functional Testing で提供されます。

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BPT Resources フォルダ

テスト・リソース・モジュールでは、Business Process Testing 用の OpenText Functional Testing Add-in によってプロジェクトのビジネス・コンポーネント・リソースが自動的に作成されます。

作成されたリソースは、BPT Resources フォルダに格納されます。自動作成は次の場合に実行されます。

  • 新しいプロジェクトでビジネス・コンポーネント・モジュールの[オートメーション]タブを最初にクリックした場合。
  • OpenText Functional Testing の自動コンポーネントを最初に作成した場合。
  • OpenText Functional Testing から OpenText Application Quality Management に最初に接続した場合。

ビジネス・プロセス・テストまたはフローが適切に動作するには、BPT Resources フォルダとサブフォルダの名前の変更や削除は行わないようにしてください。

BPT Resources フォルダには、プロジェクトのビジネス・コンポーネントで利用可能なすべての OpenText Functional Testing リソースが含まれます。また、次のサブフォルダがあります。

フォルダ

リソースの説明

アプリケーション領域

特定のアプリケーションまたはアプリケーションの一部に対する自動コンテンツを作成するのに必要なすべての設定およびリソースが含まれています。アプリケーション領域には、通常、次に示すフォルダに格納されているすべての項目が含まれています。

関数ライブラリ

OpenText Functional Testing プロジェクト内のビジネス・コンポーネントで利用可能なすべての関数ライブラリが含まれています。関数ライブラリには、コンポーネント(VBScript 関数やサブルーチンなど)用のカスタマイズされた操作(キーワード GUI)があります。

ライブラリ・フォルダには、ステップの作成時に使用できる操作を含む標準設定の関数ライブラリが含まれています。オートメーション・エンジニアは、このフォルダに追加の関数ライブラリを格納できます。

オブジェクト・リポジトリ

OpenText Functional Testing プロジェクト内のコンポーネントで利用可能なすべての共有オブジェクト・リポジトリ・ファイルが含まれています。オブジェクト・リポジトリ・ファイルは、コンポーネントのステップで使用できるテスト・オブジェクトを定義します。

回復シナリオ

OpenText Functional Testing プロジェクト内のコンポーネントで利用可能なすべての回復シナリオ・ファイルが含まれています。回復シナリオは、コンポーネント実行中のエラーと予期しないイベントから回復するための特別な操作を定義します。標準設定では、回復シナリオ・フォルダには、Web 環境で使用できる回復シナリオ・ファイルである DefaultWeb.qrs ファイルが含まれています。

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ビジネス・コンポーネントの例

ビジネス・コンポーネントの例:

例: ビジネス・コンポーネント

ビジネス・コンポーネント名

タスク

アプリケーションの状態(前)

アプリケーションの状態(後)

Login

銀行員による銀行アプリケーションへのログイン

<なし>

アプリケーションが起動され、メイン・ホーム・ページが表示される。

SearchLoan

銀行員による既存の融資の検索

銀行員がログインし、メイン・ホーム・ページが表示される。

融資の詳細のメイン・ページまたは融資が見つからないことを示すページがアプリケーションに表示される。

ビジネス・コンポーネント・コンテンツの例:

例: コンテンツ

ステップ

説明

期待される結果

1

アプリケーションを開きます。

アプリケーションが起動され、ログイン・ページが表示される。

2

ユーザ名を入力します。

カーソルがパスワード・フィールドに移動する。

3

パスワードを入力します。

パスワードがアスタリスクで表示される。

4

Web ページで[送信]をクリックします。

アプリケーションのメイン・ページが表示される。

実行条件を使用すると、テストまたはフローの初期段階に基づいてコンポーネントを選択的に実行できるようになります。タスクの詳細については、フローとビジネス・プロセス・テストの実行条件の設定を参照してください。

BPT パッケージ・アプリ・キットは、フローまたはテストを学習すると、ユーザがアプリケーション内で移動する画面やタブごとに新規ビジネス・コンポーネントを作成します。BPT パッケージ・アプリ・キットでは、フローまたはテストに新規コンポーネントを作成する代わりに、学習したコンポーネントを識別して再利用することも可能です。学習に関するタスクの詳細については、ビジネス・プロセス・テストおよびフローの学習を参照してください。

ヒント: Business Process Testing フレームワーク・コンポーネント・メトリックのグラフを作成する方法のサンプルについては、このナレッジベース記事を参照してください。

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