変更検出モードでのテストの実行

BPT パッケージ・アプリ・キット・ユーザ向け

この項では、パッケージ化されたアプリケーションのビジネス・プロセス・テストとフローを変更検出モードで実行することで、そのアプリケーションに加えられた変更を検出する方法、およびその変更を自動的に行うように BPT パッケージ・アプリ・キット を設定する方法について説明します。

このトピックの内容:

変更検出と変更解決の概要

変更検出と変更解決を利用すると、コンポーネントの保守が簡略化されるので、自動テストを行うために必要な工数が少なくなります。

変更検出の概要

BPT パッケージ・アプリ・キットを使用すると、パッケージ化されたアプリケーション上でビジネス・プロセス・テストとフローを変更検出モードで実行できます。これにより、ビジネス・プロセス・テストやフローが作成されて以降、パッケージ化されたアプリケーションがどのように変更されたか(ユーザ・インタフェースのコントロールについて、追加、削除、変更のいずれが行われたかなど)を特定できます。

注: 変更検出モードで実行できるのは、学習プロセスを使用して作成されたビジネス・コンポーネントのみです。

変更解決の概要

テストまたはフローの実行が終了したら、その変更の詳細を変更検出レポートで確認できます。このレポートには、テストまたはフローを最新状態に保つために、それに加える必要がある修正内容が示されます。

BPT パッケージ・アプリ・キットによって検出された各変更は OpenText Functional Testing で解決できます。詳細については、OpenText Functional Testing ヘルプを参照してください。

サポートされる変更と解決のリストについては、OpenText Functional Testing ヘルプを参照してください。

テストまたはフローを変更検出モードで実行しているときにコンポーネントへの変更を検出すると、Business Process Testing は、その変更を含むコンポーネントに似たコンポーネントが、同じプロジェクト内のほかのテストまたはフロー内にないかどうかを確認します。コンポーネントは、少なくともそれらが同じ学習済み画面を表していれば、類似しているとみなされます。類似するコンポーネントが見つかると、そのコンポーネントを使用しているテストおよびフローに警告が送信されます。この警告は、そのコンポーネントが含まれるテストとフローについて、変更検出を実行するように勧めます。

類似するコンポーネントは、再利用できます。変更が検出されたコンポーネントが再利用コンポーネントの場合、または変更が検出されたステップが再利用コンポーネント内にある場合は、変更の解決をどこに適用するかを決定する必要があります。元のコンポーネントに解決を適用するように選択した場合は、そのコンポーネントを使用するすべてのテストとフローに影響します。そうではなく、コンポーネントのコピーに対して解決を適用し、そのコピーをフロー内で使用するように(再利用コンポーネントを使用しないように)選択することもできます。

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変更の検出

個々のフロー、ビジネス・プロセス・テスト、またはテスト・セットに対する変更を検出できます。

  1. 前提条件:

    BPT パッケージ・アプリ・キット
    • BPT パッケージ・アプリ・キットの有効化

    • BPT パッケージ・アプリ・キット へのアクセスは、OpenText Application Quality Managementのプロジェクト管理者がプロジェクトのカスタマイズを使用して実現する必要があります。

    詳細については、Business Process Testing の設定を参照してください。

    OpenText Functional Testing

    この機能を使用するには、OpenText Functional Testing とその SAP プラグインがインストールされている必要があります。

    権限

    変更検出モードで変更を検出するユーザは、タスクの実行権限と、テストおよびビジネス・コンポーネントの変更権限を持つユーザ・グループに属している必要があります。

    ユーザ・グループのアクセス許可の設定の詳細については、グループとアクセス許可の管理を参照してください。

    OpenText Functional Testing 設定

    OpenText Functional Testing で、[ツール]>[オプション]を選択し、[実行]ノードをクリックします。[実行]表示枠で[他の OpenText 製品でテストおよびコンポーネントを実行可能にする]チェックボックスが選択されていることを確認します。

    ベスト・プラクティス

    BPT パッケージ・アプリ・キットを使用するときは、OpenText Application Quality Management のインスタンスを 1 つのみ開いて作業することをお勧めします。OpenText Application Quality Management の複数のインスタンスを複数のブラウザやタブで開かないでください。

  2. 変更を検出するには、関連するテスト・セットをテスト・ラボ・モジュールのツリーから選択します。

  3. テスト・ラボ・モジュールの[実行グリッド]タブで、[実行]をクリックします。

    [オートマティック ランナー]ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. フローまたはビジネス・プロセス・テストを実行します。

    [オートマティック ランナー]ダイアログ・ボックスで、[変更の検出]チェックボックスと、実行するフローまたはビジネス・プロセス・テストを選択してから、[実行]をクリックします。

    フロー内のコンポーネントでフローの学習プロセスを使用せずに作成されたものは、変更検出モードで実行できません。

    フローの学習に関するタスクの詳細については、ビジネス・プロセス・テストおよびフローの学習を参照してください。

    [オートマティック ランナー]ダイアログ・ボックスのユーザ・インタフェースの詳細と、テストの自動実行に関するタスクの詳細については、テストの自動実行を参照してください。

  5. 結果を表示します。

    • 類似するコンポーネントが見つかると、そのコンポーネントを使用しているテストおよびフローに警告が送信されます。
    • 変更検出レポートが作成されます。変更検出レポートの画面は、テスト・ラボ・モジュールから開くことができます。

      このレポートの使用方法に関するタスクの詳細については、検出された変更の表示と解決を参照してください。

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検出された変更の表示と解決

OpenText Application Quality Management で変更検出レポートの画面を使用して、アプリケーション内で検出された変更を表示し解決します。

注: OpenText Application Quality Management は、SAP Fiori アプリケーションの学習済みテストの実行はサポートしていません。BPT パッケージ・アプリ・キット SAP Fiori は、テクニカル・プレビュー段階です。

変更検出レポートの概要

変更検出レポートに、いくつかの項目が表示されます。

  • テストまたはフローの実行結果(コンポーネントごと、およびテストのステップごと)

  • アプリケーションの変更(コンポーネントごと)

  • アプリケーションのさまざまなバージョンのスクリーンショット

注意事項

次に、変更を解決するときの注意事項を何点か示します。

テスト・ラボ・モジュールからのみ表示

ビジネス・プロセス・テストまたはフローを変更検出モードで実行した場合でも、変更が検出されなければ、[更新の変更]は使用できません。変更検出レポートの画面は、テスト・ラボ・モジュールからのみ表示できます。

1 つ以上のテスト・セットで変更が加えられたテストまたはフロー

テストまたはフローの変更が、1 つのテスト・セットに対してのみ検出された場合は、変更検出レポートの画面が直接開きます。テストまたはフローが複数のテスト・セット内にある場合も、それが解決済みで、1 つのテスト・セットから再実行されたときは、最後の結果が開きます。

変更の複数回の解決

変更検出レポートで、すべてのコンポーネントで検出された変更を一度に解決する必要はありません。保存されたレポートは、何度でも開いて、更新できます。再び開いたレポートでは、解決済みの変更があるコンポーネントは、読み取り専用で表示されます。ただし、変更が未解決のコンポーネントはアクティブであり、表示された解決オプションを選択できます。

バージョン管理

バージョン管理されたプロジェクト内のコンポーネントは、コンポーネント内で検出された変更の解決オプションを変更検出レポート画面で実行すると、チェックアウトされます(ほかのユーザがそのコンポーネントをチェックアウトしていないことが前提です)。変更検出レポートの画面が保存されると、コンポーネントは再びチェックインされます。

レポート内の読み取り専用コンポーネント

変更検出レポートのコンポーネントは、いくつかの理由により読み取り専用で表示されます。例:

  • コンポーネントへの変更が解決済みである。

  • コンポーネントがフローまたはビジネス・プロセス・テストに複製されており、その複製の変更が解決された。

  • コンポーネントがチェックアウトされている。

  • コンポーネントがビジネス・プロセス・テストまたはフローから削除された。

  • コンポーネントが、変更検出レポート以外(たとえば、OpenText Functional Testing)で変更された。

  • 新しいレポートが実行されており、コンポーネントが最新ではない。

変更を表示して解決するには、次の手順を実行します。

  1. 前提条件:

    • 変更を解決するユーザは、テストの変更およびコンポーネントの変更タスクのためのアクセス許可を持つユーザ・グループに属していることが必要です。詳細については、を参照してください。 

    • 同じマシンに OpenText Functional Testing バージョン 12.50 以降がインストールされていることを確認します。

  2. 変更検出レポートの画面を開きます。

    1. テスト・セット・ツリーで、変更検出レポートの画面を開くテストが含まれているテスト・セットを選択します。

    2. 実行グリッド]タブをクリックします。

    3. [実行グリッド]タブで、変更検出レポートの画面を開くテストを選択します。

      注: 前回の実行が変更検出モードで行われたビジネス・プロセス・テストまたはフローは、[変更の検出]カラムに[Y]が表示されます。変更検出モードで実行されたビジネス・プロセス・テストおよびフローで、その変更が未解決のものは、ビジネス・プロセス・テスト・アイコンまたはフロー・アイコンの右下隅にデルタ記号が表示されます。ビジネス・プロセス・テストまたはフローは、解決されていない変更のあるフローまたはコンポーネントを含む場合に、未解決の変更として示されます。変更が解決されたビジネス・プロセス・テストおよびフローでは、テスト計画モジュールおよびテスト・ラボ・モジュールに表示されるアイコンからデルタ記号が消去されます。ビジネス・プロセス・テストまたはフローのステータスが変化するのは、そのすべてのフローまたはコンポーネントの変更が解決された場合のみです。

    4. [最終実行結果]タブの[ステータス]カラムで、ビジネス・プロセス・テストのリンクをクリックします。

  3. 変更されたコンポーネントとステップを更新します。

    レポートを使用して、コンポーネントとステップを自動的に更新できます。

    1. コンポーネント・ツリーで、変更を解決するコンポーネントを選択します。

      変更の解決が必要なコンポーネントは、コンポーネント・ツリーの[変更]カラムに感嘆符アイコンが表示されます。

      ヒント: 変更が必要なコンポーネントのみを表示するには、[変更]カラムで下矢印をクリックし、[変更を開く]ラジオ・ボタンを選択します。

    2. 右の表示枠で、必要な変更の詳細を確認します。

    3. 提示された変更を受け入れる場合は、表示枠の右下隅にある[変更の適用]ボタンをクリックします。変更が提示どおりに適用されます。

      それに加えて、選択したコンポーネントのレポート行が更新され、変更を解決したことが示されます。

      アプリケーションの変更が原因で、コンポーネント内のステップの更新が必要な場合は、変更検出レポートも更新されます。

    4. 右の表示枠で、更新が必要なステップのチェックボックスを選択します。

    5. 表示枠の右下隅にある[ステップの更新]をクリックします。コンポーネント内のステップが、バックグラウンドで自動的に更新されます。

      注: コンポーネントの変更を現在のテストのみに適用する場合は、[更新の変更は現在のテストのみに影響します]チェックボックスを選択する必要があります。更新の変更は現在のテストのみに影響します。このオプションを選択しない場合、コンポーネントへの変更は、そのコンポーネントが含まれるすべてのテストに適用されます。

  4. 変更内容を保存します。

    必要なコンポーネントをすべて更新したら、変更検出レポートの右下隅にある[保存]をクリックします。

    注: ビジネス・コンポーネントへの変更を保存したら、そのコンポーネントについてレポートは読み取り専用になります。

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新しい顧客の連絡先情報の入力画面をテストするとします。この画面には、[名前]、[住所]、[電話番号]というフィールドがあります。

これらのフィールドに入力された情報が顧客データベースに正しく追加されることを検証するテストが作成されています。ここで、[電子メール アドレス]フィールドを画面に追加するとします。

テストを標準モードで実行した場合、テストはパスしても、テストの必要な追加フィールドがあることに気づかない可能性があります。しかし、変更検出モードでテストを実行すると、画面にフィールドが追加されたことが BPT パッケージ・アプリ・キットから通知され、その新フィールドに対応するコンポーネントにステップを追加するよう提案がなされます。こうして、追加フィールドの検証が含まれている更新バージョンのビジネス・プロセス・テストやフローを実行できます。

同じように、画面からフィールドが削除された場合は、フィールドが削除されたことが BPT パッケージ・アプリ・キットから通知されます(そのフィールドに対応するコンポーネント内にステップがない場合でも通知されます)。変更検出レポートは、変更された画面に合わせてコンポーネントを更新するよう提案します。

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