ALM同期の準備

ALM OctaneALMの間でレコードを同期するには、同期要件とともに、一方のエンドポイントのデータを、もう一方のエンドポイントでサポートされているフィールドに合わせて調整する必要があります。

たとえば、ALM Octaneの不具合をフィーチャーに関連付けることもできます。このフィールドを同期するには、ALMで対応するユーザー定義フィールドを作成する必要があります。

ALM Octaneでは、ユーザーストーリーは、フィーチャーとエピックの下の階層によく並べられています。これらのレコードとその階層をALMと同期するには、対応する要件タイプの階層を作成する必要があります。

オプション: 両方のエンドポイントでの、対応するIDフィールドの作成

両方のエンドポイントに、他方のエンドポイントのレコードIDを表すユーザー定義フィールドまたはカスタムフィールドを作成することをお勧めします。これらのフィールドは、数値フィールドとして定義します。

  • ALMで、ALM Octane IDという名前のフィールドを作成します。

  • ALM Octaneで、ALMまたはQC IDという名前のフィールドを作成します。

後で、これらの対応するフィールドをリンクの [Field Mapping (フィールドマッピング)] タブでマッピングします。詳細については、フィールドマッピングの編集を参照してください。

トップに戻る

要件またはリリースのサブセットの作成

標準設定では、ALM Octane Synchronizerは以下を同期します。

  • ALMの [要件] ルートフォルダー全体 (サブフォルダーを含む)。

  • ALMの [リリース] ルートフォルダー内 (サブフォルダーを含む) の現在の (終了日を過ぎていない) すべてのリリース。

ALMプロジェクト内の要件またはリリースのサブセットのみを同期するには、同期リンクの代替ルートフォルダーを指定できます。

注: お気に入りと代替ルートフォルダーの両方を使用する場合、Synchronizerではお気に入りの前に代替ルートフォルダーが考慮されます。

ALMプロジェクトのツリーで、同期する要件またはリリースのみを含むサブフォルダーを作成します。このサブフォルダーには、追加のサブフォルダーを含めることもできます。

同期リンクでの代替ルートフォルダーの定義の詳細については、オプション (ALMのみ): 代替ルートフォルダーの定義 (バックログおよびリリースリンク)を参照してください。

トップに戻る

ALMでの、ALM Octaneに一致する要件タイプの準備 (要件の同期)

ALM Octaneのエピック、フィーチャー、およびユーザーストーリーを表すALMの要件タイプを決定し、それらをALM Octane内のものと一致する階層に並べます。

ALMALM Octane階層を一致させるためのルール

  • ALMの1つ以上の要件タイプをALM Octaneの各タイプ (ユーザーストーリー、フィーチャー) にマッピングできます。
  • ALM OctaneのエピックにマッピングできるALMの要件タイプは1つだけです。
  • マッピングしないALM要件タイプの要件は、同期されません。

  • ALM Octaneの品質ストーリーは同期されません。
  • ALMの階層がALM Octaneの階層と一致しない場合、Synchronizerは、要件をALM Octaneのバックログツリーのルートに直接同期させることができます。これは、エピックやユーザーストーリーにマッピングされた要件にのみ関係します。詳細については、オプション: 階層がバックログツリーと一致しない要件の処理方法の指定 (バックログリンク) を参照してください。

  • 次の場合には、同期でエラーが発生する可能性があります。

    • 要件タイプ (エピック、フィーチャー、ユーザーストーリー) の中にマッピングされていないものがある場合。

    • 同期対象の要件が、ALM階層内の正しい場所にない場合。たとえば、フィーチャー要件が、ALM要件ツリーのユーザーストーリー要件の下にある場合です。

    • 同期後に要件タイプを変更した場合。

ALMで要件階層を作成するには

  1. 必要な場合は、ALMのカスタマイズで、ユーザー定義の要件タイプを新たに作成します。

    注: [フォルダ] タイプの要件を階層に含めることができます。これらは要件のサブフォルダーとみなされます。[フォルダ] タイプの要件は同期されませんが、それらに含まれる要件は同期されます。

    使用する階層をシンプルにするために、次の方法をお勧めします。 

    • ALMに標準付属の [ビジネス] 要件タイプを使用して、エピックを表します。

    • ALMに標準付属の [フィーチャー] 要件タイプを使用して、フィーチャーを表します。

    • ALM内でユーザーストーリーを表す、新しい [ユーザーストーリー] 要件タイプを作成します。

  2. 最大3階層 (エピック、フィーチャー、ユーザーストーリー) の要件ツリーを作成または変更します。

    • エピックと同期する要件は、階層の最上位になければなりません。

    • フィーチャーと同期する要件は、エピックの下になければなりません。

    • ユーザーストーリーと同期する要件は、フィーチャーの下または最上位に置くことはできますが、エピックの下に置くことはできません。

    同期の間、ALM Octane Synchronizerにより階層が保持されます。

    この3階層は、任意の要件フォルダーまたはサブフォルダーに格納できます。ALM Octaneでは、同期ツリーはバックログのルートの下に格納されます。

トップに戻る

両方のエンドポイントにすでに存在しているリリースのチェック (リリース同期)

ALMALM Octaneの両方に、同じ名前のリリースまたはスプリント/サイクルが定義されているかどうかを確認してください。定義されている場合は、リリース同期リンクで、[Map pairs of new releases and sprints/cycles with identical names (同名の新規リリースまたはスプリント/サイクルのペアをマッピングする)] オプションを選択することをお勧めします。

優先エンドポイントのデータがすべてのリリースエンティティで使用され、他方のエンドポイントのデータをオーバーライドします。

このオプションを選択する理由

同じ名前を持つリリースまたはスプリントのペアが検出され、これらがマッピングされていない場合は、リリースまたはスプリントはまったく同期されず、実行レポートに "duplicate entities" エラーが生成されます。

これは、ALM Octane Synchronizerがリリースを新しいレコードと見なし、宛先エンドポイントで作成しようとするからです。

宛先エンドポイントには、同じ名前のリリースまたはスプリント/サイクルがすでに存在するため、同期は失敗します。

いずれかのリリースまたはスプリントの名前を後で変更すれば、重複が発生しないため、ALM Octane Synchronizerはそのリリースを宛先エンドポイントで再作成します。

マッピングオプションは現在のリリースに限定

マッピング時には、ALM Octane Synchronizerは、同期対象時間フレームに含まれているリリースのみをチェックします。同一の名前を持つリリースまたはスプリント/サイクルは、それらが過去のリリース (またはその終了日が同期用に指定した日付より古いリリース) にある場合、マッピングされません。

過去のリリースの同期の詳細については、過去のリリースの同期を参照してください。

例:

条件 結果
  • Release_1.3という名前の現在のALMリリースと、Release_1.3という名前の現在のALM Octaneリリースがある
  • ALM Octaneをリリースリンクフィールドの優先エンドポイントとして定義している ([Field Mapping (フィールドマッピング)] タブ)
  • [ルール] タブで [Map pairs of new releases or sprints found with identical names (同名の新規リリースまたはスプリントのペアのマッピング)] オプションを選択している
  • 2つのリリースがマッピングされます。
  • ALMリリースRelease_1.3のすべてのデータがALM OctaneリリースRelease_1.3のデータで上書きされます。

 

  • 次のリリースがある:

    終了日が2017年7月20日のRelease_1.3という名前のALMリリース

    終了日が2017年7月30日のRelease_1.3という名前のALM Octaneリリース

  • ALM Octaneをリリースリンクフィールドの優先エンドポイントとして定義している ([Field Mapping (フィールドマッピング)] タブ)
  • 次のオプションを選択している。Synchronize past releases.End date can be this date or later (過去のリリースを同期します。終了日は次の日付以降です) : 2017年7月25日
  • [ルール] タブで [Map pairs of new releases or sprints found with identical names (同名の新規リリースまたはスプリントのペアのマッピング)] オプションを選択している。

ALMリリースが古すぎるため、マッピングの対象にはなりません。

ただし、ALMに対するRelease_1.3の同期は、ALM上にすでに名前が存在しているリリースを作成しようとするため、失敗します。

トップに戻る

ALMでのフィールドの作成または変更

ALMで、次の表にあるフィールドを変更します。ALMフィールドがまだに存在していない場合は、ALM Octaneで、このデータに対応するユーザー定義フィールドを作成します。リンク設定後のフィールドのマッピングの詳細については、フィールドマッピングの編集を参照してください。

フィールド名 説明
アプリケーションモジュール

ルックアップリストフィールドとして定義します。

ALMで [複数値の選択を可能にする] を設定し、この値を検証しないようにします。

ヒント: または、リンクの編集時に、ALM Octaneの [アプリケーションモジュール] フィールドをALMの [製品] フィールドにマッピングします。

所有者

ユーザーリストフィールドとして定義します。
ブロック 文字列フィールドとして定義します。
フィーチャー

ルックアップリストフィールドとして定義します。

この値をALM検証しないように設定します。

ランク 数値フィールドとして定義します。
ストーリーポイント 数値フィールドとして定義します。
フェーズ

ルックアップリストフィールドとして定義します。

この値をALM検証しないように設定します。

チーム

ルックアップリストフィールドとして定義します。

この値をALM検証しないように設定します。

エピック

ルックアップリストフィールドとして定義します。

この値をALM検証しないように設定します。

注: フィーチャーとして同期する要件には必須です。

ヒント: 追加のユーザー定義フィールドを作成して、ALMで直接作成されたエンティティと、ALM Octaneから同期された不具合を区別できます。

これを行うには、ALMで [作成方法] という名前のフィールドを作成します。後で、フィールドをマッピングするときに、「ALM Octane Synchronizerにより作成」という定数値を割り当てます。定数値の割り当ての詳細については、フィールドマッピングの編集を参照してください。

トップに戻る

ALMバージョン管理

バージョン管理を使用するALMプロジェクトと同期する場合、ALM Octane Synchronizerには、バージョン管理ルールが適用されます。同期プロセスによって行われる変更は、次のコメント付きでチェックインされます。Modified by Synchronizer

同期の間、ALM Octaneは、指定したALMユーザーの資格情報を使用してALMに接続します。

  • そのユーザーがチェックアウトしたエンティティを同期する場合、そのエンティティは更新され、チェックインされます。

  • 別のユーザーがチェックアウトしたエンティティを同期する場合、ALMエンティティは変更されません。

    • 同期がALM Octane側で制御されている場合、ALM上のエンティティがロックされるため、同期エラーが発生します。

    • 同期がALM側で制御されている場合、ALM Octaneエンティティは、上の最後にチェックインされたALMバージョンに基づいて更新されます。

トップに戻る

注意事項と制限事項

  • エピックやフィーチャーの名前は、ALMALM Octaneとの両方で一意である必要があります。また、チームの名前はALMで一意である必要があります。要件名が同じ親の下にある場合、要件名はALMで一意である必要があります。同期中に重複した値が検出された場合、その関連レコードは同期されません。

  • ALM Octaneでは、レコードをフィーチャーに割り当てた場合、エピックも定義する必要があります。フィーチャーを同期する場合、エピックも同期する必要があります。このため、フィーチャーフィールドとエピックフィールドをマッピングする場合は、同期でエラーが発生しないように、それらのフィールドをALMで必須フィールドに設定することをお勧めします。

  • Synchronizerは、画像タグを含むMEMOフィールドの同期をサポートしていません。このようなエンティティを同期できるようにする場合は、共有スペースパラメーターMEMO_FIELD_IMAGE_VALIDATIONをfalseに設定する必要があります。

  • 添付ファイル名で特殊文字 (~!@#$%()^&) は使用しないようにしてください。同期中に予期しない動作を発生させる可能性があるためです。

  • ALM OctaneからALMに同期する場合、行の高さは無視されます。ALMで説明を更新して同期を再度実行すると、行の高さはALM Octaneでも保持されません。

トップに戻る

参照情報: