[ターミナル エミュレータの設定調節]ダイアログ・ボックス

このダイアログ・ボックスでは、既存のターミナル・エミュレータ構成設定を調整できます。これは、例外的な状況の場合でのみ必要となります。ほとんどの場合、UFT One は事前設定済みのターミナル・エミュレータと、ターミナル・エミュレータ設定ウィザードで定義した構成設定のターミナル・エミュレータとともに正常に動作します。

重要: このダイアログ・ボックスのオプションを使用して構成設定を変更する場合は、使用しているターミナル・エミュレータと、設定を変更した場合にテストやビジネス・コンポーネントに及ぼす可能性のある影響について、十分理解したうえで行ってください。

アクセス方法
  1. 次の手順のいずれかを実行します。

    • ドキュメント表示枠で GUI のテスト、アクション、コンポーネントにフォーカスがあることを確認します。

    • ソリューション・エクスプローラで、GUI テストまたはコンポーネント・ノード、あるいはその子ノードのいずれかを選択します。

  2. [ツール]>[オプション]>[GUI テスト]タブ>[ターミナル エミュレータ]ノードを選択します。

  3. エミュレータを選択し、[設定を調節]をクリックします。

重要な情報

このダイアログ・ボックスに表示されるオプションの選択肢は、[ターミナル エミュレータ]表示枠で選択したターミナル・エミュレータの種類によって異なります。

このダイアログ・ボックスのオプションの大部分は、[オプション]ダイアログ・ボックスの[ターミナル エミュレータ]表示枠で選択したターミナル・エミュレータに固有のものです。これらのエミュレータ固有のオプションの値は、選択したエミュレータと一緒に保存されます。たとえば、標準のファイル以外の HLLAPI DLL ファイルを指定した場合、そのファイルは選択したエミュレータに対してのみ使用されます。

いくつかのオプションの値は、[オプション]ダイアログ・ボックスの[ターミナル エミュレータ]表示枠で選択したエミュレータに関係なく、保存され適用されます。たとえば、メニューとダイアログ・ボックスを記録しないことを選択した場合、UFT One では別のエミュレータを選択してもその設定が維持されます。

関連タスク

ブリット記号で表示されているオプションを変更するには、テキストをクリックし、テキストが編集可能ボックスになったら値を変更します。詳細については、「構成設定の変更」を参照してください。

参照

「ターミナル・エミュレータの構成設定の管理」

次にユーザ・インタフェース要素について説明します。

UI 要素

説明

エミュレータの設定

次のオプションを使って、ウィザードでは変更できない構成設定を定義できます。

  • 自動前進フィールドがサポートされます:自動前進フィールドを使用すると、あらかじめ定義された文字数を入力した後に ENTER キーや別のキーを押さなくてもアプリケーションの次の画面またはフィールドに自動的に移動できるようになります。

    使用しているエミュレータで自動前進フィールドがサポートされている場合は、このチェック・ボックスを選択すると、それらのフィールドでの Set ステートメントの記録が UFT One で有効になります。

    表示対象:HLLAPI に対応しているエミュレータ。

  • 画面の最下部の空白行の数:エミュレータによっては、画面の一番下にいくつかの空行が確保されているものがあります。画面のサイズが変わった場合、これらの行のために、UFT One のフィールド位置の計算が正しくならないことがあります。このオプションでは、エミュレータ画面の一番下の空行の行数を指定できます。この設定はターミナル・エミュレータ設定ウィザードで行うことをお勧めしますが、このオプションを使っても変更できます。

    エミュレータによって画面の一番下に確保されている行数を入力します。UFT One は、フィールド位置を特定するためのアルゴリズムにこの値を組み込みます。

  • コード ページ番号(IBM PCOMM のみ):IBM PCOMM エミュレータを英語以外の言語で使用している場合は、その言語のコード・ページ番号を入力します。たとえば、ドイツ語のキーボードの場合は、値 1252 を入力します。標準のコード・ページ変換を使用する場合は、0 を指定します。言語とそのコード・ページ番号のリストを表示するには、Windows コントロール・パネルの[地域と言語のオプション]を選択し、[詳細設定]タブを選択します。

    UFT One ではこのコード・ページを使って、ユーザが記録したキーが正しく識別されます。

HLLAPI の設定

選択したエミュレータの構成設定には、次のオプションを使用できます。このオプションは、HLLAPI をサポートするエミュレータのみで表示されます。

  • HLLAPI .dll ファイル :UFT One は、このエミュレータに対して指定された HLLAPI DLL ファイルを使用してエミュレータに接続し、現在のステータスに関する情報を取得します。

    事前設定済みのエミュレータをカスタマイズしたものを使用している場合は、別の DLL ファイル名を指定しなければならないことがあります。

  • HLLAPI 関数名:このエミュレータに対する HLLAPI DLL が、この関数をすべての HLLAPI 呼び出しのエントリ・ポイントとして使用します。

    事前設定済みのエミュレータをカスタマイズしたものを使用している場合、別の関数名を指定しなければならないことがあります。

  • HLLAPI 関数への引数のサイズ:ほとんどのエミュレータの HLLAPI 関数は、16 ビット(ワード)の引数を受け取ります。IBM PCOMM などの一部のエミュレータでは、HLLAPI 関数が 32 ビット(整数)の引数を受け取ります。

    選択したエミュレータの正しい引数サイズとして、[ワード (16 ビット)]または[整数(32 ビット)]を選択します。

  • HLLAPI 呼び出しを複数のスレッドから実行します:複数のスレッドからの HLLAPI 呼び出しが可能なエミュレータもあれば、すべての HLLAPI 呼び出しを同じスレッドから実行しなければならないエミュレータもあります。事前設定済みのエミュレータ設定の場合、標準で選択されています。

    HLLAPI 呼び出しのために別のプロセスを開き、この単一のスレッドからすべての HLLAPI 呼び出しを実行するように UFT One を設定する場合は、このチェック・ボックスをクリアします。

  • HLLAPI dll ファイルが見つからない場合に警告します:現在の設定用の HLLAPI DLL ファイルが見つからないときに UFT One から警告メッセージが表示されます。たとえば、エミュレータ自体をインストールする前に Terminal Emulator Add-in を使用しようとした場合、UFT One は警告を表示します。

    このチェック・ボックスをクリアし、UFT One が必要な DLL ファイルが見つけられないと、UFT One で正常な記録ができない原因を調べることが難しくなる場合があります。したがって、このオプションを選択しておくことをお勧めします。

    適用:現在選択しているエミュレータに関係なく、すべてのターミナル・エミュレータの設定

オブジェクトの認識設定

次のオプションを使用すると、選択したターミナル・エミュレータのオブジェクトを UFT One がどのように識別するのかを設定できます。

  • すべての文字を使って画面ラベルを認識する:label プロパティの値を使用して TeScreen テスト・オブジェクトを識別します。ラベルの位置と長さは、[ターミナル エミュレータ]表示枠で選択したエミュレータに対して定義されます。詳細については、「[ターミナル エミュレータ]表示枠([オプション]ダイアログ・ボックス>[GUI テスト]タブ)」を参照してください。

    標準設定では、label プロパティ値に対して定義されたラベル領域内の、書き込み保護された文字のみがキャプチャされます。

    label プロパティのラベル領域内のすべての文字を、ラベルの一部を形成している可能性がある、書き込み保護されていない文字や隠し文字も含めて、UFT One でキャプチャする必要がある場合は、このオプションを選択します。

  • タイトル・バー・プレフィックスに基づいてエミュレータ・ウィンドウを認識する:UFT One で通常、エミュレータ・ウィンドウをそのオブジェクト・クラスによって識別します。ユーザ定義の設定では、クラス名が一意でない場合があります。たとえば、エミュレータで Afx などの汎用のクラス名が使用されている場合があります。そのような場合は、ウィンドウ・タイトル・バー内の固定のプレフィックスに基づいてウィンドウを識別するよう UFT One を設定できます。

    プレフィックスを使用して正しいウィンドウを識別するよう UFT One を設定するには、プレフィックスのテキスト文字列を指定します。

    値が指定されなければ、UFT One はオブジェクト・クラスを使用してエミュレータ・ウィンドウを識別します。

記録設定

次のオプションを使用すると、UFT One が操作をどのように記録するのかを設定できます。

  • これらのキーを使ってサーバとやり取りする:HLLAPI のサポートなしで記録を行うと、UFT One はエミュレータとサーバ間の同期をとるために、指定されたキーが押された後に Sync ステップを挿入します。キーは仮想キー・コードによって識別されます。

    標準設定:Enter キーで、その仮想キー・コード値は 13 (16 進数の 0D )です。別のキーを指定することも、キーを追加することもできます。たとえば、Ctrl キー(仮想キー・コード値)は 17 (16 進数の 11)を追加できます

    各キーの仮想キー・コードの「10 進」値を、セミコロン(;)で区切って指定します。これらのいずれかのキーが押されるたびに、UFT One では Sync ステップを挿入します。同期化の詳細については、「ターミナル・エミュレータでのステップの同期化」を参照してください。

    仮想キー・コードの一覧については、http://msdn.microsoft.com/en-us/library/dd375731(VS.85).aspx を参照してください。MSDN ページの一覧には、各キー・コードの 16 進数が記載されています。これらの値をこのオプションのリストに追加するには、キー・コードの値を 10 進数に変換して、その 10 進値を指定する必要があります。

    適用:現在選択しているエミュレータに関係なく、すべてのターミナル・エミュレータの設定

  • メニューとダイアログ・ボックスに対する操作を記録する:標準設定では、UFT One は、ターミナル・エミュレータ・ウィンドウのメニューに対する操作と、それらのメニュー・オプションの選択の結果表示されるダイアログ・ボックスに対する操作を記録します。

    これらのメニューおよびダイアログ・ボックスの操作を UFT One で記録する必要がない場合は、このチェック・ボックスをクリアします。たとえば、テストまたはビジネス・コンポーネント内のエミュレータ固有のメニューおよびダイアログ・ボックスのステップは、エミュレータ相互の互換性が重要であるときや、そうしたステップがテストやビジネス・コンポーネントに関係ないときには、必要でない場合があります。

    適用:現在選択しているエミュレータに関係なく、すべてのターミナル・エミュレータの設定

  • 記録モード:テキスト画面」モードの場合、UFT One は操作を画面座標に基づいて TeTextScreen ステップとして記録します。「コンテキスト・センシティブ」モードの場合、UFT One はフィールド操作を TeField ステップとして記録します。

    標準設定では、すべての事前設定済みのターミナル・エミュレータと、HLLAPI 完全対応として設定されたすべてのユーザ定義エミュレータが、コンテキスト・センシティブ・モードに設定されています。HLLAPI 対応のエミュレータを使用していて、TeField オブジェクトではなく座標に基づいてテストする必要がある場合は、「テキスト画面モード」を選択します。

    ユーザ定義のターミナル・エミュレータのモードは、ウィザードを使用して変更できます。詳細については、「ターミナル・エミュレータ設定ウィザードの概要」を参照してください。

    HLLAPI に対応していないエミュレータ、および、テキストのみの HLLAPI 操作に対応するように設定されたエミュレータについては、UFT One は常に「テキスト画面」モードを使用し、このオプションは使用できません。

  • 同期化せずにステップを記録する:標準設定では、UFT One は、ターミナル・エミュレータ・アプリケーション内のユーザ操作(キーボード入力やマウス・クリックなど)を認識すると、アプリケーション内のユーザ入力の処理を中断します。記録されたステートメントがテストまたはビジネス・コンポーネントのスクリプトに追加されて、ActiveScreen 情報が保存されると、UFT One はエミュレータを解放し、ユーザ入力を処理できるようになります。

    IBM PCOMM などの一部のエミュレータでは、ユーザ入力が中断している間は HLLAPI の実行をサポートしておらず、HLLAPI 呼び出しの実行前に UFT One にエミュレータ・プロセスを解放させる必要があります。

    記録中に予期しない動作が生じた場合、このオプションを選択しなければならない場合があります。たとえば、UFT One、エミュレータ、またはその両方から応答が返されない場合があります。このオプションを選択する場合は、別の操作を実行する前に UFT One に各ステップを記録するための十分な時間が確保されていることを確認してください。

  • カーソル位置を記録する:テキスト画面またはフィールドでの記録の際、UFT One では、カーソル位置の記録に TeTextScreen.ClickPosition または TeField.SetCursorPos を使用します。

    テストまたはビジネス・コンポーネントでカーソル位置を記録する必要がない場合は、このチェック・ボックスをクリアします。

    適用:すべてのターミナル・エミュレータの設定

  • フィールド中の末尾のスペースを除外する:コンテキスト・センシティブ」モードでの記録時に、末端の空白やタブ記号などの「空白文字」がフィールドに含まれることがあります。

    これらの文字を除外するよう UFT One に指示する場合は、このチェック・ボックスを選択します。このオプションを選択する場合は、除外するフィールドの最小フィールド長を指定します。指定した文字数よりも少ない文字しか含まれていないフィールドは、変更されません。標準設定値は、5 文字です。

    フィールドの内容を変更しない場合は、チェック・ボックスをクリアします。

    表示対象:HLLAPI に対応しているエミュレータ。

  • プロパティ・パターンを使用する:プロパティ・パターンを使用して記述プロパティ内の正規表現(画面ラベル内の日付値や時刻値に対するものなど)を記録するには、このチェック・ボックスを選択します。

    プロパティ・パターンの詳細については、PropPattern.htm の「プロパティ・パターンによるオブジェクトの識別(上級)」を参照してください。このファイルは UFT One のインストール・フォルダの help サブフォルダにあります。

    標準のプロパティ・パターン設定ファイルをそのまま使用するか、内容を変更するか、または別のプロパティ・パターン設定ファイルを指定できます。標準のファイルは、画面ラベルの一部が現在の時刻で構成されているアプリケーションで使用することを目的としています。この標準ファイルで定義されている正規表現によって、画面ラベル内の現在の時刻が置き換えられ、画面の説明と名前がわかりやすくなります。

    適用:現在選択しているエミュレータに関係なく、すべてのターミナル・エミュレータの設定

Runtime Engine Settings

次のオプションを使用すると、選択したターミナル・エミュレータが HLLAPI 対応の場合に、そのエミュレータのテストまたはビジネス・コンポーネントを UFT One がどのように実行するのかを設定できます。

  • Sync 操作が実行された時にビープ音を鳴らす:実行セッション中に Sync 操作が実行されるたびに UFT One でビープ音を鳴らすかどうかを指定します。

    適用:現在選択しているエミュレータに関係なく、すべてのターミナル・エミュレータの設定

  • キーボード・イベントを使って特殊なエミュレータ・キーを含むステップを実行する:キーボード・イベントを使用して SendKey コマンドを実行するよう UFT One を設定します。キー・コードの指定にこのオプションを使用しない場合、UFT One では対応する HLLAPI 関数を使用して SendKey コマンドを実行します。

    エミュレータによっては、たとえば Micro Focus Extra! のように、エミュレータがビジー状態の間、キーボード・イベントを使用して送信されたときだけ、RESET コマンドを認識するものがあります。[RESET 関数のキー]オプションでは、仮想キー・コードのキーの組み合わせを指定します。これには、コードの各キーの 10 進値をセミコロン(;)で区切って指定します。

  • エミュレータがステータスをチェックする間隔(ミリ秒単位):Sync ステップの間、UFT One は、エミュレータのステータスを確認する前に、指定の時間だけ待機します。UFT One は、エミュレータのステータスが「準備完了」になるまで、または Sync のタイムアウトに達するまで、この確認を指定の時間間隔で繰り返した後、実行セッションを続けます。同期化の詳細については、「ターミナル・エミュレータでのステップの同期化」を参照してください。

    エミュレータの各ステータス確認の合間に経過する時間間隔(ミリ秒単位)を指定します。

    標準設定:200

    非常に長い時間間隔を指定した場合、テストまたはビジネス・コンポーネントの実行に要する時間が著しく長くなる可能性があります。