ビットマップ比較の微調整

関連:GUI テストおよびコンポーネント

ビットマップ・チェックポイントを実行すると、アプリケーションで検査する領域とチェックポイントに保管されているビットマップがピクセルごとに比較されます。標準設定では、いずれかのピクセルが異なっていれば、チェックポイントが失敗します。[ビットマップ チェックポイントのプロパティ]ダイアログ・ボックスの詳細設定には、ビットマップ比較を微調整するオプションが用意されています。

RGB の許容範囲

注:この機能は、期待されるビットマップと実行時ビットマップを比較するときにのみ使用できます。指定するビットマップを実行時ビットマップ内で検索するときには使用できません。

RGB(赤、緑、青)の許容範囲によって、実行時のビットマップにあるピクセルの RGB 値が期待されるビットマップとの間で許容され、チェックポイントが成功する割合が決まります。(RGB の許容範囲オプションは、24 ビットのカラー・デプスを持つビットマップに限られます)。

たとえば、同じビットマップのビットマップ・チェックポイントでも、チェックポイントを作成するときやテストを実行するときに異なるディスプレイ・ドライバを使用すると、失敗する可能性があります。あるディスプレイ・ドライバでは白色を RGB (255, 255, 255) と表示し、別のドライバでは白色を RGB (231, 231, 231) と表示するとします。これら 2 つの値の違いは約 9.4% です。RGB の許容範囲を 10% に設定することにより、これらのドライバのいずれかでテストを実行すると、チェックポイントが成功します。

UFT One によって、期待されるビットマップと実行時のビットマップの各ピクセルを比較するときに、RGB の許容範囲の設定が適用されます。各ピクセルの Red、Green、および Blue 値は別々に比較されます。いずれかの値が許容範囲より異なっていると、ピクセルの比較が失敗します。

ピクセルの許容範囲

注:この機能は、期待されるビットマップと実行時ビットマップを比較するときにのみ使用できます。指定するビットマップを実行時ビットマップ内で検索するときには使用できません。

ピクセルの許容範囲によって、期待のビットマップと異なることが許容され、チェックポイントが成功する実行時のビットマップのピクセル数またはピクセルの割合が決まります。

たとえば、期待のビットマップに 4000 ピクセルあるとします。ピクセルの許容範囲を 50 に定義して、[ピクセル]ラジオ・ボタンを選択すると、実行時のビットマップは最大 50 ピクセルまでなら期待のビットマップと異なることが許容され、チェックポイントが成功します。ピクセルの許容範囲を 5 に定義して、[]ラジオ・ボタンを選択すると、実行時のビットマップは最大 200 ピクセルまでなら期待のビットマップと異なることが許容され、チェックポイントが成功します。

画像の類似度

注:この機能は、指定するビットマップを実行時ビットマップ内で検索するときにのみ使用できます。期待されるビットマップと実行時ビットマップを比較するときには使用できません。

画像類似度の設定を使用すると、完全に一致するビットマップがアプリケーション内に見つからない場合でも、チェックポイントを成功させることができます。UFT Oneは、実行セッション中のアプリケーションのオブジェクトについて、その実行時ビットマップ内で指定ビットマップを見つけようとします。指定されたビットマップと完全に一致するビットマップが見つかると、チェックポイントは成功します。

完全一致が見つからないときに、「[チェックポイントのプロパティ]ダイアログ・ボックス」の詳細設定で[類似度]オプションを 100% 未満に指定すると、その類似度レベルに従って比較処理が調整されます。可能性がある候補の類似度が、定義されている比率以上の場合、チェックポイントは成功します。

カスタム比較ツール

カスタム比較ツールは、より明確なアルゴリズムに従ってチェックポイントでビットマップ比較を実行するために、ユーザまたはサードパーティが開発できる COM オブジェクトです。カスタム比較ツールを使用してビットマップ・チェックポイントが実行されると、UFT One は、比較する 2 つのビットマップ(チェックポイントで作成され、期待されるビットマップとして保存されたオブジェクトの画面キャプチャと、実行セッション中にアプリケーション内に表示されたオブジェクトの画面キャプチャ)を比較ツールに送信します。比較ツールは、そのアルゴリズム仕様に従ってこの 2 つのビットマップを比較します。カスタム比較ツールを使用する場合は、「[チェックポイントのプロパティ]ダイアログ・ボックス」で許容範囲や類似度の設定を指定することはできません。また、比較するオブジェクト領域や無視するオブジェクト領域も指定できません。

UFT One コンピュータに 1 つ以上のカスタム比較ツールがインストールされ、登録されている場合、「[詳細設定]ダイアログ・ボックス([ビットマップ チェックポイント]ダイアログ・ボックス)」には[比較ツール]オプションが表示されます。

比較ツール]オプションでは、テスト要件に従ってビットマップ比較を実行する UFT One 標準比較ツールまたはカスタム比較ツールを選択できます。カスタム比較ツール作成のユースケース・シナリオについては、「位置が変化する画像のカスタム比較ツール - ユースケース・シナリオ」を参照してください。カスタム比較ツールの開発またはインストールの詳細については、「ビットマップ・チェックポイント用カスタム比較ツールの開発」を参照してください。

カスタム比較ツールを選択すると、ビットマップ・チェックポイントのプロパティの[詳細設定]ダイアログ・ボックスにあるオプションの一部が変わります。

RGB とピクセルの許容範囲を定義すると、RGB の許容範囲が最初に計算されます。次に、ピクセルの許容範囲によって、RGB の基準で失敗しても、チェックポイントに成功するピクセルの最大数が定義されます。

たとえば、4000 ピクセルあるビットマップに、RGB の許容範囲として 10 パーセント、ピクセルの許容範囲として 5 パーセントを定義するとします。チェックポイントが成功するには、実行時のビットマップにある各ピクセルの RGB 値が、期待のビットマップの RGB 値の ±10 パーセント以内でなければなりません。この基準に失敗すると、UFT One によって、失敗したピクセル数が 200 未満であるかチェックされます。この基準に成功すると、チェックポイントが成功します。